2019 Fiscal Year Research-status Report
バリア放電イオン化検出ガスクロマトグラフィー(GC-BID)の法医学への応用
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19K19486
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
田中 直子 香川大学, 医学部, 講師 (60700052)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | バリア放電イオン化検出ガスクロマトグラフィー / 無機ガス |
Outline of Annual Research Achievements |
バリア放電イオン化検出ガスクロマトグラフィー(GC-BID)の法医学的応用を目的としている。GC-BIDを用いた無機ガスの測定において、オーバーナイトでの測定を可能にするためヘッドスペースサンプラを導入した。ヘッドスペースサンプラでの加温条件等の前処理条件を検討した。水素、一酸化炭素、二酸化炭素およびメタンガスの標準ガスを測定し、それぞれのピークを検出したことからこれらが測定可能であることを確認した。これまでは、既知濃度のこれらの標準ガスをエアバッグに充填し、装置のガスサンプラーから注入して測定し、得られた結果から検量線を作成していた。しかしながら、ヘッドスペースサンプラを用いることにより、ガスサンプラーは使用できず、測定するガスは密封された専用のバイアル瓶へ注入し測定することとなる。そのため、これまでより空気の混入が多くなるため、水素、一酸化炭素、二酸化炭素およびメタンガスの検量線を再設定中である。亜酸化窒素についても標準ガスを測定したが、ピークがバックグラウンドと重なる傾向があり、亜酸化窒素に関してはプロトコルの再検討も必要であることがわかった。今後、水素、一酸化炭素、二酸化炭素およびメタンガス等の測定可能な濃度範囲を設定し、さらに空気中に多量に存在する窒素や二酸化炭素のカットオフ値の設定を行う。標準ガスでの設定が整い次第、気管内の気相や血液などの試料について前処理条件等も含めて検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヘッドスペースサンプラを導入し、標準ガスを用いた測定までは検討したが、測定可能な濃度範囲や空気中に多量に存在する窒素や二酸化炭素のカットオフ値の設定を行えていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
水素、一酸化炭素、二酸化炭素、メタンガスおよび亜酸化窒素について測定可能な濃度範囲の設定を行う。また、空気中に多量に存在する窒素や二酸化炭素のカットオフ値の設定を行う。さらに、血液、気管内気相および肺内の二酸化炭素、亜酸化窒素、メタンガスの測定法を確立する。
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Causes of Carryover |
標準ガスは以前に購入していたものを使用していたため次年度使用額が生じた。次年度は主に標準ガス、ヘリウムボンベ、バイアル瓶等の物品に使用予定である。
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