2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of medication adherence assessment tool for elderly patients to autonomous medication self-management
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19K19497
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
坂根 可奈子 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (40559267)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 服薬アドヒアランス / 高齢者 / 自律性 / 服薬自己管理 / 看護 / 評価ツール |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、①服薬アドヒアランス評価ツールの項目案の作成、②項目内容の検討と予備調査の実施、③服薬アドヒアランス評価ツールの信頼性・妥当性の検証に着手した。 ①2019年4月から5月に、服薬アドヒアランス評価ツールの項目案の作成を行った。医師、看護師、薬剤師、高齢患者を対象としたアドヒアランスの認識調査の結果を基に評価ツール原案を作成した。さらに、これまでの基礎研究(服薬アドヒアランスに関する研究レビュー結果、多職種の服薬支援体制の現状と課題に関する調査、地域における服薬支援内容と職種間の協働に関する調査)のデータを確認し、外用薬の自己管理などの2項目、服薬起因の有害事象に関する1項目を原案に追加し、服薬アドヒアランス評価ツール案(89項目)を作成した。その後、評価ツール案の内容的妥当性を高めるために、専門家とディスカッションを行った。専門家は、看護師、薬剤師、医師の各立場の実践家とした。質問項目の内容の妥当性、表現の明確性等について意見交換を行い、評価ツール案は89項目から91項目となった。 ②2019年6月から8月に予備調査を行った。予備調査では、19名の看護師からデータを得た。回答者の意見から、5段階評価しづらい項目や特定のケースにおける回答の困難性、類似する内容の項目について指摘があった。表現や項目内容の再検討を行った結果、91項目から74項目とした。これを評価ツール案修正版とし、本調査で用いることにした。 ③2020年1月以降は、修正を加えた評価ツール案修正版を用いて、服薬アドヒアランス評価ツールの信頼性・妥当性の検証を実施中である。全国の病院および訪問看護ステーションの看護師を対象とした調査を行った。2019年3月末時点で、40病院と36訪問看護ステーションから研究許可を得て、3459名の看護師に調査票を配布依頼し、737部の回答が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
科研費採択前から、研究を進める事前準備として、基礎研究のデータ整理、文献レビュー、スーパーバイズを依頼する実践家との調整を行っていたため、4月以降、服薬アドヒアランス評価ツールの項目案の作成と予備調査をスムーズに進めることができた。その結果、2020年1月から服薬アドヒアランス評価ツールの信頼性・妥当性の検証に着手することができた。新型コロナウイルス感染症による影響を受ける前に、全国の無作為抽出した訪問看護ステーションと病院への依頼、調査票の発送を終えることができたため、今年度中にデータ収集まで進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画は、当初の計画以上に推進しているため、2020年度中に服薬アドヒアランス評価ツールの信頼性・妥当性の検証を実施する。データ収集をすでに終えているため、十分可能である。さらに今後は、服薬アドヒアランス評価ツールの実用化に向けて研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
2020年3月に第93回日本薬理学会年会へ情報収集を目的とした出張を計画していたが、新型コロナウイルス感染症の流行を受け、Web開催となったため次年度使用額が生じた。2020年度は、すでにアクセプトされている国際学会での発表旅費、データ分析や管理に必要な消耗品を購入する予定である。
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