2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of medication adherence assessment tool for elderly patients to autonomous medication self-management
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19K19497
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
坂根 可奈子 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (40559267)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 服薬アドヒアランス / 高齢者 / 自律性 / 服薬自己管理 / 看護 / 評価ツール |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度に全国の急性期病院および訪問看護ステーションの看護師から回収した737部のデータを用いて、2020年度は、高齢者の服薬アドヒアランス評価ツールの信頼性・妥当性の検証を行った。 項目分析の結果に基づき、74項目から、40項目を選定し、探索的因子分析を行った。その結果、全40項目6因子の「高齢者の服薬アドヒアランス評価ツール」を構成できた。因子名は、第1因子(18項目)≪積極的な治療への参画≫、第2因子(5項目)≪確実な服薬行動≫、第3因子(6項目)≪服薬所作と生活の安定性≫、第4因子(4項目)≪継続的な服薬によるコントロール≫、第5因子(4項目)≪服薬自己管理の阻害因子≫、第6因子(3項目)≪服薬記録の管理≫と命名した。 この評価ツールは、クロンバックα係数が評価ツール全体で0.960であり、高い内的整合性を確保していた。基準関連妥当性(並存妥当性)については、慢性疾患患者を対象とする上野(2018)の改訂版服薬アドヒアランス尺度を外的基準として、評価ツール合計点および各因子との相関係数を算出した。相関係数はすべて有意であり、0.126から0.605の範囲であった。さらに、高齢者の服薬アドヒアランスを2次因子,探索的因子分析で抽出した6因子を1次因子として確証的因子分析を行った結果、パス係数はすべて有意であった。二次因子である服薬アドヒアランスから1次因子までのパス係数は0.53から0.91、1次因子から観測変数へのパス係数は0.49から0.88であった。このことから、二次因子構造における潜在変数と観測変数の関係は正の方向に十分な値をもって影響を与えていることが示された。 これらの結果から、本研究で開発した「高齢者の服薬アドヒアランス評価ツール」は、内的整合性、基準関連妥当性(並存妥当性)、構成概念妥当性を確保していることを示し、信頼性、妥当性が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度中にアンケート調査のデータ収集が概ね完了していたため、2020年度は当初の計画通り、分析を進めることができた。2021年度は当初の計画通り、結果の公表に向けて、進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、分析結果を看護関連学会にて発表し、さらに論文化、公表に向けて、準備を進めていく予定である。また、開発した服薬アドヒアランス評価ツールの実用化に向け、さらに研究を発展させていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、参加予定の学会がオンライン開催となり、旅費を使用しなかったことから次年度使用額が生じた。2021年度に、研究成果の公表に向けて追加分析するための統計ソフトの購入、学会投稿費、英文校正費等に使用する予定である。
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