2021 Fiscal Year Research-status Report
看護基礎教育における小児看護シミュレーション教育プログラムの開発
Project/Area Number |
19K19507
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
江藤 千里 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (20638259)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | シミュレーション教育 / 看護基礎教育 / 小児看護 / 教育プログラム / 協同学修 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、健康障害のある子どもと家族を対象とした看護実践能力育成のための教授学修方略を検討するため、オンライン授業での教育内容だけでは十分な学修効果を得ることが難しい、臨床場面に即した学修目標の到達に向けて、Goal-oriented learning designの看護実践スクリプトを軸とした協同学修によるフィジカル・シミュレーション演習を構成および試行し、その有用性について予備的検討を実施した。 フィジカル・シミュレーション演習は、学生の思考を活性化する学修形態である協同学修に、学年が異なる臨地実習を経験している上級生が参加し、子どもと家族の状況把握、子どもを尊重する姿勢と関わり方、子どもの主体性を引き出す工夫、看護ケアへの子どもの同意・協力を得る方法、子どもの発達段階の特徴・症状や安全・安楽に配慮した看護実践、家族の不安や負担を最小限にする関わり方を看護学生が擬似体験を通して思考し、技術修得のための学修経験を設計した。予備的介入終了後は、学修活動自己評価尺度および文献を基に作成した上級生との協同学修状況に関する認識を含む自記式質問紙調査を実施した。 その結果、協同学修を取り入れたフィジカル・シミュレーション演習を小児看護教育プログラムとして組み立てることにより、発達段階や症状の異なる子どもと家族の状況に応じた看護実践に関する看護学生間の思考過程の共有や、実践に対する前向きなフィードバックに刺激を受け、適度な緊張感のある学修環境となり、学修活動が促進される可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は、研究倫理審査委員会の承認を得て、協同学修によるフィジカル・シミュレーション演習を試行し、計画通りに予備的検討を進めることができたことから、おおむね順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
協同学修によるフィジカル・シミュレーションの予備的介入の有用性が示唆されたことから、今後は得られた知見をもとに、さらなる教育設計の検討と実施上の調整を行い、教授学修方略の有用性の評価を進めていく。
|
Causes of Carryover |
2021年度の国内および国際学会の開催が、COVID-19の対応に伴いオンライン開催となったため、旅費が発生しなかったことから次年度使用額が発生した。
|