2019 Fiscal Year Research-status Report
思考と実践をつなげる実習前教育の構築 ーケースマップの活用ー
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19K19514
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
橋本 真由美 神奈川工科大学, 看護学部, 准教授 (00708646)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ケースマップ(CM) / 事前学習 / 臨地実習 / 術後合併症 |
Outline of Annual Research Achievements |
臨地実習における看護学生の実践能力向上のために、事前学習の教育方法を検討することを目的としている。 当該年度は、各看護師養成機関における実習前の事前学習の現状把握と実習で受け持つ可能性の高い疾患に対応するためのケースマップ作成を計画した。現状把握として、看護系大学278校へ質問紙紙を送付し回収した。回収率は18%であった。学生のレベルによることも考えられるが、各校の事前学習の取り組みや指導に困難と感じていることもは様々であったが、アセスメントの指導に時間を要することが多くあげられていた。現在、回収した質問紙を分析しCM事例とする内容および学習期間を検討している。 また、周手術期の患者を受け持つ臨地実習では必須となる術後合併症のCMを用い、成績に影響がないことなど倫理的配慮について説明し実施の了解を得られた10名の学生で試行した。結果、CMを構成する枠組説明によって、構造を理解し自己学習内容を再構成していきながら知識の整理ができることが明らかとなった。同じ学生に対し、術後の状況を設定したシミュレーターで演習し、学生が完成させたCMを用いて振り返りを行った。患者に起こり得ることと、予防すべき合併症に対する看護をCMによって時系列で整理ができ、その後の臨地実習においても事前学習をいかし患者に関わることが出来ていた。術後合併症CMを用いることによって、思考の整理や演習での学びを臨地実習で生かせることが明らかとなり、CMによる事前学習は有用となる可能性があることが明らかとなった。 今回の調査結果をもとに、周手術期患者事例CMを作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度に予定していた現状把握としての質問紙調査の実施、およびCM作成に着手できている。 質問紙調査の内容分析中であり、終了していないこと、およびCM事例作成が十分でないことが進捗課題となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染が拡大し始めた時期の質問紙調査となったため、回収率が低くなっている。分析結果によっては、追加調査が必要になる可能性がある。 今年度は事例CMを仕上げ、研究計画に沿って、学内での事前学習課題確認の中に組み込みシミュレーションを実施、CMによる振り返りを強化する。臨地実習での実践につなげられるよう、実習指導に関わる教員に対しても活用方法など周知を図り、学生によって不利益が生じないよう実施していく。
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