2021 Fiscal Year Research-status Report
看護教員の看護学実習における教育実践知の構造-省察的実践論を基盤として-
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19K19522
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Research Institution | Kumamoto Health Science University |
Principal Investigator |
井上 加奈子 熊本保健科学大学, 保健科学部, 講師 (80634360)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 看護学実習 / 教育実践 / 省察 / 看護教員 / リフレクション |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は1)研究参加者の選定と協力依頼と2)データ収集・分析を行う予定であった。しかし、昨年に引き続き、コロナ禍による学内業務への影響や学外実習への影響が大きく、当初の計画通りに研究を進めることが困難であったことから、今年度は研究方法を見直し、プレテストとして看護教員1名にオンライン上でインタビューを行い、その方法の妥当性を検討した。 また、これまで研究者が研究会などで取り組んできた、看護教員の看護学実習における教育実践事例の振り返り(省察)で得られた知見について再度検討を行い、その結果について「自らの看護教育実践をことばにし、省察する」というテーマで学会発表を行った。事例検討で明らかになったことは、看護学実習において看護教員が学生への教育実践を行っていくなかで、常に変化を伴う看護の現場で展開される実習指導においては、看護教員のねがいが常に行為化されるとは限らず、その時の状況によって実践の方向性は変わるということ、そして自らの教育実践を省察することの意味であった。教育実践を行う際に看護教員が自らの教育実践を言語化するということは、それはときに自分自身の迷いや価値基盤に対峙することでもあり、だからこそ、ともに振り返り(省察)をしてくれる人との関係や言語化したことを受け止めてくれる人・場のあり方が重要であることが示唆された。さらに、今年度参加・発表した学会では、教育実践を言語化していくことや、他者と共有することの意味、そこでの課題などについても検討することができた。今回の検討で得られた示唆は、今後研究を進めていく中で、インタビューによるデータ収集や分析の際に活用できる有益な知見であることから、今後の研究に活かしていきたいと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度は研究参加者を選定し、フィールドでデータ収集(参与観察・インタビュー)を実施する予定であったが、昨年度に引き続き新型コロナウイルス感染症流行に伴い、研究者自身の学内業務対応にエフォートをさかなければならない状況が発生し、研究時間を捻出することが困難な状況であった。また、研究参加者の選定はできたが、研究協力を依頼しようとしていた時期と新型コロナウイルス感染症急拡大の時期が重なり、看護学実習の中止等により研究依頼とデータ収集を延期せざるを得ない状況が続いた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は学内業務を調整することで、研究へのエフォートを確保しながら以下の計画ですすめていく。 1)研究参加者への研究依頼 研究参加者の選定は大方終了しているため、研究参加者とデータ収集の時期を調整する。 2)データ収集・分析 新型コロナウイルス感染症の流行状況や感染予防上、フィールドでの調査が困難な状況が予測されるため、オンライン等を活用しながらWEB上で1回60分程度のインタビューを行い、状況に応じて複数回のインタビューを実施しながら、データ収集・分析をすすめていく。分析の結果は関連学会で公表していく。
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Causes of Carryover |
本年度はコロナ禍により研究の進捗が遅れ、データ収集・分析を実施することができなかったため、当初予定していたデータ収集や分析で使用するはずであった 諸経費を使用することがなかった。また、研究会や関連する学会への参加がオンラインによる参加となったため、学会旅費等を使用することがなかった。 次年度は、データ収集・分析を実施する予定であるため、それに伴う旅費やトランスクリプト費等に使用する。
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Research Products
(1 results)