2019 Fiscal Year Research-status Report
認知行動モデルによる、看護師のための新規コミュニケーション教育プログラムの開発
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19K19523
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
牧野 みゆき 武蔵野大学, 認知行動療法研究所, 客員研究員 (70838078)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 対話スキル / 看護職 / 認知行動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は看護職のための認知行動モデルに基づいたコミュニケーション教育プログラムを開発し、その有効性を検証することである。看護職は患者や妊産婦、その家族と生死に関わる危機的で重要な時間を共に過ごす。「共感」「傾聴」が看護師として当然の姿勢と教育されるが、具体的な方法を訓練される機会は限定的であり、看護師個々の素質や性格に委ねられている。一方、コミュニケーショントレーニングが看護の質の発展やメンタルヘルスの向上に役立つことが海外で示されている。これらの知見から、認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy; CBT)の技法を活用したコミュニケーション教育プログラムを開発し、有効性を検証する。 2019年度は国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センターの蟹江・堀越が「認知行動療法に学ぶ対話でつくる周産期メンタルヘルスケア」を行い、申請者はテキスト作成や研修実施に携わり、研修参加者へ自記式質問紙調査を実施した。国内2か所の病院施設にて、医療従事者(主に助産師、看護師)を対象に研修を実施した(計画ではもう1か所にて実施を予定していたが、COVID-19の影響にて実施延期となっている)。実施内容はテキストをもとにCBTを活用した対話スキルやメンタルヘルスに関する講義とロールプレイなどの演習であり、約4時間の研修である。質問紙調査は三時点、受講直前および受講直後、研修後3か月とした。施設2か所あわせて、約50名の同意と回答を得た。これらの研究活動について国内において学会発表および学術誌投稿を行った。 2020年度は継続し研修を実施するとともに、得られた回答データを解析し、周産期領域以外の領域や看護系の学校教育への実践可能性について検討する。また、対面の研修だけでなくウェビナーや動画教材、Web調査などの実施を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は研究協力者である国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センターの蟹江・堀越が「認知行動療法に学ぶ対話でつくる周産期メンタルヘルスケア」を行い、申請者はテキスト作成や研修実施に携わり、研修参加者へ自記式質問紙調査を実施した。国内2か所の病院施設にて、医療従事者(主に助産師、看護師)を対象に研修を実施した(計画ではもう1か所にて実施を予定していたが、COVID-19の影響にて実施延期となっている)。実施内容はテキストをもとにCBTを活用した対話スキルやメンタルヘルスに関する講義とロールプレイなどの演習であり、1日のみの約4時間の研修である。自記式質問紙調査は三時点、受講直前および受講直後、研修後3か月に行った。施設2か所あわせて、約50名の同意と回答を得た。これらの研究活動に関する内容を日本認知療法・認知行動療法学会にて口頭発表、および認知療法研究への投稿を行った。研修や調査の実施については順調であったといえる。 しかし、新型肺炎による社会情勢により、予定されていた研修開催が急遽延期となったことや学会発表が中止となったこと、データ解析が滞っていることがやや遅れている要因となっている。一方、これまでの対面の研修や紙ベースの質問紙ではなく、ウェビナーや動画教材、Web調査など本研究の発展につながる可能性のある新たなテーマを見出すことができ2020年度の計画に新たな課題として検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は延期されている研修および調査を継続的に実施する。すでに得られている回答データを解析し結果について検討し、その内容を国内外の学会発表および学術誌投稿にて報告する予定である。 しかし、社会情勢により現在対面での研修が危惧されてることや軒並み学術大会が延期となっている状況から、本来の計画には示されていないが、新たな課題としてウェビナーや動画教材、Web調査などの実現化を探ることが急務であると考えている。そのため、研究協力者との週1回打ち合わせを行い、情報収集をふまえ実現可能性について検討している。今後、すでに国内外で行われているウェビナーや動画配信などへ参加・修得し今後の計画に反映していきたい。 また、周産期以外の領域(基礎看護、精神看護、訪問看護など)や看護系の学校教育への実践可能性についても検討したいと考えている。そのために、国内外の学術大会へ参加し実際の教育現場の状況や最先端の研究や教育方法について学習することや、学術誌にてそれらの情報収集や知見を得たいと考えている。
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Causes of Carryover |
2019年度に予定していた研修開催の一部がCOVID-19の影響により急遽キャンセルとなったことや、参加を予定していた学術大会が中止されたことで予定通りに旅費を使用するに至らなかった。すでに実施した研修について、質問紙調査のデータを人員を雇い入力してもらう予定であったが、在宅勤務となったためデータ入力作業が不可能となったため、人員を雇うことがなく人件費の使用に至らなかった。 2020年度、前年度に行えていないデータ解析を実施するため人員を雇うことを計画している。すでに対面での研修が危惧されてることや学術大会が延期となっている状況から、本来の計画には示されていないが、新たな課題としてウェビナーや動画教材、Web調査などの実現化を探ることが急務であると考えている。そのため、研究協力者との週1回打ち合わせを行い、今後、すでに国内外で行われているウェビナーや動画配信などへ参加・修得し今後の計画に反映していきたい。 さらには周産期以外の領域(基礎看護や精神看護など)や看護系の学校教育への実践可能性についても検討したく、国内外の学術大会へ参加し実際の教育現場の状況や最先端の研究や教育方法について学習することや、学術誌にてそれらの情報収集や知見を得たいと考えている。
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