2020 Fiscal Year Research-status Report
放射線災害看護のシミュレーション教育用シナリオ(日本語版・英語版)の開発
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19K19525
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
漆坂 真弓 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (70326304)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 放射線災害 / シミュレーション教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
シナリオ作成にむけて放射線災害の状況のアウトラインについて、放射線災害に関する人材育成に携わっている専門家に助言を受け、時系列、対象別、状況別に課題を設定しシナリオを作成している。 放射線災害の専門家からは、基幹高度被ばく医療支援センターである量子科学技術研究開発機構作成による教育内容と照らし、国の災害対応の方針及び医療体制、放射線防護および汚染拡大防止対応の基本的対応の確認を行うことで、国の指針に逸れることなく放射線災害時の活動が円滑に行われる旨の助言を受けた。そこで量子科学技術研究開発機構のホームページから原子力災害医療研修テキストを参照し、作成したシナリオを検討し直し、問題がないとの意見をいただいた。 シミュレーション教育の専門家からは、放射線の知識や看護実践の習熟度に応じたシナリオを作成することで、より高度な看護実践が可能となる旨の意見をいただいた。シナリオ作成時には、対象者、状況、時期などについて文献検討から得た知見を活かし、難易度を考慮して作成した。 以上を踏まえ、汚染・被ばくを伴う傷病者の対応では、救命優先、放射線の防護、汚染拡大防止の基本的知識・技術の習得の他に、対象者の抱える社会心理的影響や放射線の人体影響の知識をベースに放射線災害看護を必要とする対象者への看護援助について学ぶことを目指したシナリオを作成した。被災者においては、放射線影響の懸念に対する医療ニーズ・支援の対応について学ぶことを目指す。シミュレーション教育の実施に向け、各シナリオの課題と到達目標の妥当性を検証していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVIT-19の影響を受け、遠隔講義対応、臨床実習等の調整と対応、種々の学内活動の対応など、エフォートを研究にあてることが困難な状況であった。そのため作成したシナリオの検証を行うことができなかった。令和3年度は2年度の課題である、シナリオの課題と到達目標の妥当性の検証を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
作成したシナリオのαテストを実施し、作成したシミュレーションのアウトライン、ブリーフィングガイド、シナリオの検証を行う。βテストでは研究協力者によるシナリオの検証を行うが、この検証では遠隔参加も含めたものを検証する予定である。それぞれの検証において、シミュレーション教育の専門家の助言を受け、より効果的な教育が実施できるようにシナリオ等の修正を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
令和2年度はコロナ禍対応のためシナリオ作成と検証に時間をかけることができなかった。令和3年度は、動画の作成、放射線の基礎知識学習用のeラーニング作成、シナリオについて専門家の助言を受けるにあたっての謝金、シナリオ検証のための協力者への謝金、英語翻訳するにあたっての校閲費に支出予定である。
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