2021 Fiscal Year Research-status Report
看護基礎教育におけるケアリングの教育方法の基礎的研究
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19K19540
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
佐藤 聖一 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (10610793)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ケアリング / 看護基礎教育 / 道徳教育 / 看護教育方法 / ファシリテーション / Narrative Based Medicine |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はこれまでの調査、研究データに基づき、データの分析をすすめ、論文化の方向性を確認した。学生の学びの分析から、ケアリングに関する要件を見出し、その要件を教授する方策として道徳教育の方法を取り入れることや、Narrative Based Medicineの活用、ファシリテーション技法の活用についてが考えられた。 この過程に関して、研究報告として、本年度も研究成果について、日本看護科学学会、日本看護教育学会、日本看護学会、看護教育研究学会、国際医療福祉大学学会への学会発表や論文投稿することで研究結果を公表した。学会発表では、看護基礎教育実践者や、研究者からの質疑応答やディスカッション、情報共有を通してケアリングの教育方法の確立の必要性や重要性について確認することができた。 また、本年度は教育学的視点によるケアリング研究の基礎的研究として、看護におけるファシリテーションの活用状況についての研究成果を論文として京都女子大学生活福祉学科紀要に投稿、採択され公開した。 さらに、ケアリングの教育方法におけるファシリテーション技法の効果検証のため、日本ファシリテーション協会の研修に参加し、ファシリテーション技法の講習を受け、実践することを通してケアリング教育への適応について検討した。 今後は、本年度の知見を基にした、ケアリング教育の実践方法の確立について、研究データの分析、道徳教育と活用、Narrative Based Medicineの活用、ファシリテーション技法の導入といったこれまでの研究成果を論文として社会に発信していくことを最終の目標として研究をすすめる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学会発表や、論文投稿、発表については概ね予定していた進捗を得た。 コロナ禍における研究会や研修会が中止となり進捗が遅れていた、教育理論の根幹を支えると規定している教育実践技法であるファシリテーション技法の習熟について、日本ファシリテーション学会の主催する研修会や学習会にオンラインではあったが、参加できたことにより、ファシリテーション技法について知見や実践の経験を得た。この内容を、ケアリング教育にどのように導入していくかについて検討し、今後の論文にいかしていくことで、ケアリングの教育方法の基礎的研究に活かす。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題においては、再度1年間の期間延長を申し出て承諾を得た。 本年度は、日本ファシリテーション学会の主催する研修会や学習会に参加しファシリテーション技法の講習をオンラインであったが受けることができ、知見や演習実践をすることができた。 改めて、ファシリテーション技法は、ケアリングの教育方法として基盤となる技術と位置付けを確認し、教育の実践としての方法論にどのように活用していくかを、これまでの研究成果と合わせて教育理論と実践を繋ぐための知見を開発することで、ケアリングの教育方法の基礎的研究を完遂することが、本年度の推進方策である。
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Causes of Carryover |
本年度は、昨年度、新型コロナ感染症拡大のため、緊急事態宣言などの余波を受け、予定していた日本ファシリテーション協会の研修会や学習会が中止され、ファシリテーション技術の実践面での具体的習熟が困難な状況となったため、研究期間の1年延長許可を頂き研究を継続することとなり、研究進捗に遅れが出たため、次年度の予算使用額が生じた。 本年度は、オンラインという形式となったが、ファシリテーションについての研修や講習会に参加することを通して、看護におけるケアリング教育の具体的な方法論について知見や示唆を得ることができた。 これらの知見を、これまでの研究成果と合わせて論文化していくことができる準備が整ったため、今後はこれらの知見を公開、発信していくため論文作成、公開を計画しており、そのための予算として執行していく予定である。
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