2020 Fiscal Year Research-status Report
急性期病院における腰痛対策看護管理実践支援ツールの開発
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19K19542
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Research Institution | Tokyo University of Information Sciences |
Principal Investigator |
吉武 幸恵 東京情報大学, 看護学部, 講師 (50449063)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 看護職 / 腰痛対策 / 人的資源管理 / 労働環境管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は先行研究にて、看護職の腰痛発症の背景に潜む人的資源管理および労働環境管理上の問題を明らかにし、それらを基にした「急性期病院における腰痛対策看護管理実践モデル」を開発した。このモデルを現場の看護管理実践に適用するための支援ツールを開発することが本研究期間における目的である。看護実践現場においては、現実的に腰痛を完全に予防することが困難であるという考えが根強く存在しており、腰痛を発症した看護職は様々な不利益を体験していることが先行研究にて明らかにされた。この現状において、本研究は腰痛予防のみではなく、腰痛発症後に体験した不利益に着目し、仮に腰痛を発症したとしても、その不利益を最小限にするための実践を講じていることに意義があると考える。 令和2年度は、令和1年度に行った、研究①、研究②に続いて実施する予定であった、看護管理実践の促進/阻害要因の妥当性を検証するための質問紙調査を延期し、更に新たなワーキンググループを構成し、腰痛対策看護管理実践モデルの見直し及び、実践の促進/阻害要因に加えて支援ツールに必要であると考えられる、モデル内の「問題を発見するための行動」「問題の分析視点」に対して、実践現場における具体的な情報収集・分析方法の項目抽出を行った。さらに、特定された問題への対応について、前年度の調査で抽出した促進/阻害要因を踏まえた具体的な行動レベルでの「アクションリスト(案)」を抽出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染予防対策に伴い、フィールドワーク実施予定施設の看護業務増大および外部からの来院者の制限、研究者の学外での研究活動の自粛要請により、予定していた研修会およびフィールドワークが開催できなかった。オンラインでのワーキンググループ活動や研修会の可能性を模索したが、予定施設での受け入れが困難な状況が継続した。施設側の担当者の配置転換や退職も重なり、当初予定していた施設での研究継続は困難であると判断し、新たな協力施設でのワーキンググループの再構成と研究計画の見直しが余儀なくされた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、令和2年度内に抽出した「アクションリスト」項目の精錬と経験的妥当性の検証について、オンライン会議にて実施する準備を進めている。令和3年9月までに項目の検証を終え、支援ツールの試案を作成する。 また、当初計画していた、参加型研修による現場での適用については、計画を変更し、支援ツール(試案)の作成と同時に、オンラインまたはオンデマンド研修会を実施し、各項目に関する実行可能性と改善案に関する、ユーザー視点での検討を行い、「腰痛対策看護管理実践支援ツール(Ver. 1)」の作成へと進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染予防対策に伴い、フィールドワーク実施予定施設の看護業務増大と研究活動の制限、調査フィールドの変更等により、調査が大幅に遅れ、次年度使用とした。また、計画変更に伴い、当該助成金はオンライン会議および研修に必要なデバイスの準備、教材作成、調査の実施および分析に充てる計画である。
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