2020 Fiscal Year Research-status Report
看護管理者のリーダーシップに着目した人材管理プログラムの開発
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19K19553
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
上野 瑞子 川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 講師 (00808230)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 看護管理者 / リーダーシップ / オーセンティック・リーダーシップ / 人的資源管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度作成した「看護管理者オーセンティック・リーダーシップ」尺度の精度をあげるために、妥当性を測ることとした。まず併存的妥当性、収束的妥当性に着目し、それらに該当する既存の尺度を選定した。併存的妥当性は「対人配慮行動」「組織改革行動」「相互尊重行動」の3因子からなる「日本の看護師版組織市民行動尺度」を、収束的妥当性については「ポジティブ感情」「ネガティブ感情」の2因子からなる「日本語版The Positive and Negative Affect Schedule:(PANAS)」を採用することとした。これらの尺度を用いるために、今年度は各尺度開発者に許諾をもらうこととする。 さらに、今般の新型コロナウィルス感染症拡大に伴い、看護師の職場環境が大きく変化したことが推察できるため、この尺度の項目を再考した。その結果、「無気力」「技量不足」「身勝手」の因子からなる「組織阻害行動」をとる看護師の潜在能力に期待し、組織に貢献できるようになるためには、目標設定理論を援用した本研究の「看護管理者オーセンティック・リーダーシップ」が発動されることで効果が出る、という仮説はそのまま用いることができると判断し、項目について再考する素地を得ることができたと考える。これらの項目見直しと尺度の精度をあげるために、来年度予定の看護管理者へのインタビューを今年度実施し、得られたデータを質的に分析し、「看護管理者オーセンティック・リーダーシップ尺度」のアイテムプールとし、協力が得られる質的研究者などと項目を作成していきたいと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症拡大に伴い、研究以外の業務に従事する時間が増え、取り組みが滞った。また研究対象者が病院に勤務する看護管理者及び看護師となるため、今般の事情を鑑み調査することを自主的に自粛した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究に対するエフォートを再確認し、他業務とのバランスをとり、研究を進める時間を確保することを再構築する。その上で尺度開発に向けて、使用する尺度開発者3名(うち海外著者1名)に承諾を得ること、それをもとに所属施設への倫理審査委員会へ早急に研究開始を承認を得ることを第一の目標としたい。そして、対象者が病院に勤務する看護管理者及び看護師となるが、新型コロナウィルス感染症拡大に伴い逼迫している医療現場であることを鑑み、対象者の絞り込みを再検討することとする。そのために、全国的調査実施の前に、現時点での看護現場の、数名の看護管理者にインタビューを実施し人的資源管理に関する現状や課題について質的分析方法を用いて明らかにし、尺度開発で準備している調査項目の見直しを図り、現状にそった「オーセンティック・リーダーシップ」の尺度開発に努めることを計画としてあげる。合わせて、リーダーシップに関する最新の論文や書籍などからも研究の背景を深め、文献検討も行っていくことを方策として考慮したい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症拡大に伴い研究以外の業務が煩雑となり、研究活動に割り当てる時間が削減された。また、対象者が病院に勤務する看護管理者及び看護師としていたため、調査協力を求めることを躊躇したため、調査に至らなかった。今年度は研究の精度を上げるべく海外文献の閲覧をするために物品費として電子翻訳機器を購入したり、調査のために通信費に充てたいと考える
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Research Products
(9 results)