2020 Fiscal Year Research-status Report
児童・思春期精神科病棟におけるストレングス向上を促す看護プログラムの開発
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19K19555
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
菅谷 智一 筑波大学, 医学医療系, 助教 (60824307)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 思春期 / メンタルヘルス / ストレングス / 自己肯定意識 / 相談行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
児童・思春期精神科病棟におけるストレングス向上を促す看護プログラムを開発するために、今年度は2つの事前調査を実施した。 1つ目は、思春期の者である高校生を対象に脳のタイプと自己肯定意識、メンタルヘルスについて調査を行った。その結果、Type Sの者はType B、Type Eの者と比べてストレングスを自覚している傾向が認められた。また、抑うつ傾向や摂食障害傾向において脳のタイプによる差が認められ、Type Eの者に対してストレングスを向上させる必要性が示唆された。これらの結果から、脳のタイプに合わせつつ、対象者のストレングスを向上させることの必要性を確認することができた。 2つ目として、児童・思春期精神科病棟の看護師を対象として、相談行動と倫理的課題への対処の関連を調査した。その結果、相談行動をとることで利益を得られると考えている看護師は、児童・思春期精神科における倫理的な課題に対して、アドボカシーを意識し、責務と責任を持ち、子どものニーズのために看護職や多職種と協働し、信頼関係を展開しながら子どものニーズを満たしている傾向が認められた。また、相談しないことは不利益になると考えている看護師はケアリングができている傾向も認められた。このことから、児童・思春期精神科において相談行動をとることの重要性が示唆され、相談行動は本研究において開発している看護プログラムにも必要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid-19蔓延の影響もあり、児童・思春期精神科病棟等の臨床での調査が進められずにいる現状である。そのため、思春期の者の特性や児童・思春期精神科看護師についての事前調査を進めるにとどまっており、予定通りの進捗状況には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの事前調査をふまえて、看護プログラムを開発していく。また、その有用性の検証のために、研究実施施設との調整を行っていき、Covid-19の状況をふまえつつ、倫理委員会での研究計画審査を受けていく予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度までに実施する予定であった調査に関して、Covid-19感染蔓延等により実施が遅れていることから次年度使用額が生じている。次年度以降、研究の打ち合わせのための国内旅費や調査用紙の購入・文具等の消耗品費、調査のための国内旅費、データ整理・入力の人件費として使用する予定である。
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