2021 Fiscal Year Research-status Report
認知症とがんを合併する患者・家族を支援する看護職に向けた教育プログラム構築
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19K19556
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
塚越 徳子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (60723757)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | がん / 認知症 / 看護支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、以下のStep1~Step4に沿って、認知症を有するがん患者家族を支援するがん診療拠点病院看護職を対象とした教育プログラム試案を作成する ことである。 Step1:認知症関連領域の看護職が捉える認知症がん患者家族への看護上の課題を面接調査を用いて明らかにする。Step2:がん診療拠点病院看護職の認知症がん患者家族を看護する困難に対する影響要因を質問紙調査を用いて明らかにする。Step3:認知症がん患者の家族の体験を面接調査を用いて明らかにする。Step4:認知症がん患者家族を支援するがん診療拠点病院看護職を対象とした教育プログラム試案を作成する。 2021年度は、Step1、2に関連したがんに関連する看護領域の専門看護師・認定看護師が捉える認知症を有するがん患者家族の看護上の課題に関する論文を投稿し、掲載した。A県内の8施設11名を対象に半構造化面接を実施し、面接内容を質的記述的研究手法を参考に分析した。結果、【認知症がん患者を尊重した治療選択支援の難しさ】【認知症がん患者の安全とQOLを保障したがん治療支援の難しさ】【認知症がん患者に適した生活環境調整の難しさ】【がんと認知症看護を統合した看護職への教育不足】【がんと認知症の専門性を活かした連携不足】【認知症とがんの合併による負担感を軽減するための家族支援の難しさ】の6課題が明らかとなった。これらから、専門看護師・認定看護師は、認知症による記銘力・判断能力低下によって患者の意思や意向を十分に理解できず、認知症がん患者に対するがん治療効果やQOLへの影響に関するエビデンスが乏しいことで看護支援に対する確信を持てないと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍のため、Step3:認知症がん患者の家族の体験を面接調査を用いて明らかにする。の着手ができなかった。そのため、認知症看護を専門とする専門看護師・認定看護師を対象とした面接調査に切り替えて実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
Step3については、新型コロナウイルス感染症によって認知症がん患者の家族を対象とした面接調査には制限があるため、認知症看護を専門とする専門看護師・認定看護師を対象としたオンラインでの面接調査を検討している。その後、Step2の質問紙調査を実施することを検討している。
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Causes of Carryover |
質問紙調査票の印刷および郵送費として計上していたが、実施しなかった。次年度に調査を検討している。
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