2021 Fiscal Year Research-status Report
包括的暴力防止プログラムでの看護師の振り返りにおけるサポートツールの開発
Project/Area Number |
19K19559
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
木下 愛未 信州大学, 学術研究院保健学系, 助教 (50783239)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 包括的暴力防止プログラム / 対人円環モデル / 振り返り / 精神科看護師 / 援助特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は前年度に引き続き、精神科看護師の援助特性を示す対人円環質問紙(Interpersonal Circumplex for Psychiatric care:IPC-PC)について、各8因子の看護援助をより具体的に把握するために、看護師と当事者を対象にインタビュー調査の実施・分析、論文作成を行った。 研究1)看護師を対象としたインタビュー調査を昨年度に引き続き行った。これまで得られていた17名の語りについて、IPC-PCの8因子の軸概念による分析を開始した。また、本研究は包括的暴力防止プログラムでの看護の振り返りのためのツールであるため、2021年度は研究対象者として新たにCVPPPインストラクターを加えた。COVID-19パンデミックのためオンラインで調査を実施し、2021年度は1名から協力を得た。 研究2)当事者を対象としたインタビュー調査結果は、質的研究の専門家から助言を得ながら分析を行い、論文作成を行った。本研究で明らかとなった知見には、一般的な対人相互作用では優位とは関与しないDE因子(一般的には敵意や拒否を示すと言われ、IPC-PCでは看護師が当事者と距離をとる行動を指す)の中に優位性が知覚されるなど、当事者は看護師が優位に立っていると知覚しやすいことがあった。他にも、当事者の最善を志向して行ったPA(IPC-PCでは看護師が当事者に管理的にかかわることを指す)の優位性は当事者の反応が経時的に変化するなどがあった。 IPC-PCを用いた看護援助の振り返りとして、試験的にDE因子について①どういうときに当事者と距離をとるか、②距離をとられたとき当事者に何が起こるかについて16名の看護師を対象にオンラインでディスカッションを行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19パンデミックによってデータ収集に遅れが発生しており、精神科看護師の援助行動の複雑さによって分析にも時間がかかっていることから「やや遅れている」と判断した。しかし遅延しながらも着実に進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
継続してCVPPPインストラクターからオンラインでインタビュー調査を行う。得られた当事者・看護師からのインタビュー結果を論文にまとめ発表する。インタビュー調査の結果を踏まえてIPC-PCを改良していく。
|
Causes of Carryover |
COVID-19パンデミックにより調査や論文作成などにやや遅延が生じたため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は令和4年度請求額と併せて消耗品費として使用する。
|
Research Products
(5 results)