2019 Fiscal Year Research-status Report
覚醒状態にある人工呼吸器装着患者の主体性に着眼した、ICU看護師の看護方法の解明
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19K19560
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
阿部 誠人 岐阜大学, 医学部, 助教 (00812603)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 浅い鎮静 / 覚醒状態 / Light Sedation / 人工呼吸器 / 人工呼吸器装着患者 / 主体性 / セルフケア / 看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、覚醒状態にある(浅い鎮静管理もしくは無鎮静管理が行われている)人工呼吸器装着患者に対してICU看護師が行うセルフケア支援(本研究では「患者が主体的な日常生活動作が行えるようにケアへの参加を促すこと」と定義)の実態を明らかにすることを目的とした。 本年度は、所属研究機関の岐阜大学大学院医学系研究科医学研究等倫理審査委員会および共同研究機関の名古屋大学大学院医学系研究科生命倫理審査委員会において、研究計画書の審査・承認を受け、以下の調査を実施した。 <調査概要> 全国の日本集中治療医学会専門医研修施設から無作為抽出した140施設に研究依頼を行い、研究許諾が得られた58施設のICU看護師長およびICU勤務経験年数2年目以上の看護師1110名を対象に郵送法を用いて無記名自記式質問紙調査を行った。ICU看護師長の調査項目は所属ICUの概要について、ICU看護師の調査項目は1)回答者の属性、2)覚醒状態にある人工呼吸器装着患者に対する整容(①歯磨き②顔面清拭③髭剃り④整髪時)の各支援手順43項目について、セルフケア支援を行っているか否か、2件法を用いて回答を得た。 調査内容の検討過程では文献検討を行うとともに、共同研究機関である名古屋大学大学院医学系研究科(保健学)総合保健学専攻教授の池松裕子氏をはじめとした、クリティカルケア看護に精通する研究者ら(大学教員、急性・重症患者看護専門看護師、集中ケア認定看護師)からの助言を受け調査項目を精選した。 既に調査は完了し、研究許諾が得られた施設のうち47施設(回収率:81%)のICU看護師長からの回答を得た。また、対象となったICU看護師1110名のうち、517名(回収率:46.5%)からの回答を得た。現在得られたデータは統計解析ソフトを用いて集計・分析中である。今後は引き続きデータの分析を進め、論文執筆及び学会発表の準備を進めて行く。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では2019年度~2020年度にかけて調査を実施する予定であったが、研究計画書は2019年7月には所属研究機関の倫理審査委員会から審査・承認を受け調査を開始することができた。また、2019年度末時点では目標数以上の回答を得ることができ、既に調査を終了することができたため、研究の進行状況は順調と考える。尚、Yonsei-Nagoya University Research Exchange Meeting on Health Sciences & Nursing 2019において、研究成果の一部を中間報告することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
既に調査は完了したため、2020年度は統計解析ソフトを用いて回答者から得られたデータの解析を進め、本研究の目的である、「覚醒状態にある人工呼吸器装着患者に対するICU看護師が行うセルフケア支援の実態」を明らかにしてく。また、セルフケア支援の実施率と回答者の属性や回答者が所属する施設背景などとの関連性を検証していく。得られた結果は、覚醒状態にある人工呼吸器装着患者の支援モデルを検討するための基礎資料となるよう、論文化を進めて公表を目指す。
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Causes of Carryover |
想定していた以上の研究協力があり、調査用紙などを追加印刷したことで初年度購入予定であったOS機器や統計解析ソフトなどが購入できず、当初の予算と執行額に差が生じてしまった。2019年度の残額は購入予定であった物品費に補填し、2020年度予算はデータ分析に必要な物品の購入および研究成果の公表のために使用していく。
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