2021 Fiscal Year Research-status Report
家族システムを活用したうつ病を有する医療系大学学生の修学支援策の考案
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19K19572
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Research Institution | Sapporo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
原田 由香 札幌保健医療大学, 保健医療学部, 准教授 (00464694)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | うつ病 / 医療系大学学生 / 修学支援 / 家族システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、医療系大学在学中にうつ病を発症以降、学生が修学を継続するためにどのような体験をし、システムとしての家族からどのような影響を受け、何をサポートと感じたのかについて明らかにし、修学支援に必要な示唆を得ることとした。対象は、実際にうつ病を有しながらも家族のサポートを得て医療系大学を卒業することのできた卒業生とした。 当事者の語りから得られた知見は、修学支援を必用とするうつ病を有する学生たちだけでなく、学生の生活全般を支える家族への効果的な支援にも繋がると考える。さらにうつ病を有する学生たちを支える側である大学教職員にとってもうつ病を有する学生の適切な理解を促すことや、具体的介入策のひとつとして提示可能と考える。 研究方法として、まだ十分に解明されていないうつ病を有する医療系大学学生にとっての有効な修学支援策を考案するために、研究デザインは質的記述的研究デザインとした。データの収集方法は、協力者と相談し、プライバシーが守られる公共施設の個室または自宅などで1人につき60~90分の半構造化面接を6名実施した。分析方法は木下の修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを選択した。 研究計画としては、初年度諸外国におけるうつ病を含む精神障がいを有する学生対象の修学支援に関する情報収集、国内におけるフィールドワークを実施し、翌年にインタビュー調査の実施、分析し、得られた知見を基に最終年度に修学支援策の考案ならびに研修会の開催を予定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度に予定していたインタビュー調査が行動制限措置の継続に伴い、対面において実施困難となたため、研究協力者と共に対面以外の方法について検討したものの、別の方法での実施には至らなかった。 2021年3月に感染予防対策をしながら、プレインタビューを実施した。以後、インタビュー調査に協力可能な対象者に研究協力について呼びかけ、感染状況が比較的落ち着いた時点で健康状態を確認の上、感染予防対策をし、対面でのインタビュー調査を6名実施した。現在は逐語録の作成、分析を進めている段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に予定していた修学支援策の考案ならびに研修会の開催に向けての準備を進めている。修学支援策については現在分析している段階で、今後結果をまとめて学会での発表を予定している。研修会については、所属大学において研修セミナーを2月に開催する予定で準備を進めている。
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Causes of Carryover |
2020年度新型コロナウイルス感染拡大に伴い、医療体制の逼迫ならびに行動制限措置が継続したことから、現在医療従事者として勤務している医療系大学卒業生を対象としたインタビュー調査の実施が困難であったため、1年予定を延期した。 そのため、最終年度に予定していた修学支援策の考案ならびに研修会の開催に向けての準備を進めている。
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