2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of the early detection method of ICU-AW using abdominal CT images
Project/Area Number |
19K19577
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
水戸部 優太 国際医療福祉大学, 大学院, 講師 (10772915)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ICU-AW / 敗血症 / CT画像 / SMI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はICU入室した敗血症患者の腹部CT画像を用いてSMIを計測し、SMIがICU-AW発症の予測に対する有効性を明らかにすることで、ICU在室中に鎮静・脳症・せん妄などの状態であっても早期にICU-AWの診断を可能にすることを目的としている。 ICUで敗血症の治療を行った患者を対象とした。対象患者をMRCスコアが合計48点以下群(AW)と49点以上群(NAW)に分け検討を行った。2群間の比較で有意差を認める項目を説明変数とロジスティック回帰分析、ROC解析を行った。 対象症例は合計31例であり、AW群23例、NAW群は8例であった。年齢、BMI、APACHE IIスコアおよびBarthel indexの2群間に有意な差はなかったが、性別はAW群において有意な差を認めた。 SMIはNAW群と比較してAW群で有意に低かった。ROC解析の結果、ICU AWを予測するSMIのカットオフ値は44.1であり、ロジスティック回帰分析の結果はSMIがICU-AWを予測する有意な因子であった。 ICU入室時からAW群でSMIが低下している要因として、敗血症を発症し、ICU入室する前から骨格筋が減少している可能性が考えられる。本研究でのAW群の入室時APACHE Ⅱスコアは22.8点、グルコースは155.3mg/dL、ラクテートは4.2mmol/LとNAW群より高値を示している。このことから、ICU-AW患者は入室時または入室前から骨格筋の減少が起こっている可能性が考えられる。そのため、ICU入室時SMIを用いることでICU-AWを評価することができると考える。 本研究の結果では、ICU入院時のSMI測定が敗血症患者のICU-AWを予測する有効な指標であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度は臨床での介入を予定していたが、調査は予定通り進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の調査では症例数が少なかったため、他施設での研究を行い症例数を増やし調査を継続していく予定である。 2021年度は敗血症患者のICU入室時の腹部CT画像を用いた骨格筋断面積とMRCスコアの関連を明らかにする。敗血症と診断された患者を退院時まで観察していく。選定基準は患者選定の期間以外は研究課題1と同様とする。ICU入室した敗血症患者を研究課題1で得られた骨格筋断面積のカットオフ値の大きい群(H群)と小さい群(L群)にそれぞれ分け、退院まで観察を行う。
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Causes of Carryover |
昨年度はデータ収集を積極的に行うことが難しい状況だったため、旅費の使用はなかった。本年度は得られたデータを解析し、国内および国外雑誌に発表していく予定である。
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