2020 Fiscal Year Research-status Report
妊娠初期検診に前がん病変と診断された女性の産後の受診行動を支える看護モデルの開発
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19K19578
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
大塚 知子 東京歯科大学, 歯学部, 看護師 (60737378)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 子宮頸がん / 前がん病変 / 異形成 / 受診行動 / 看護支援 / 妊婦 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は妊娠初期検診の子宮頸がん検診にて前がん病変と診断された女性の受診行動を支える看護支援を開発することである。産後の継続した受診を支えることは、子宮頸がんの早期発見・早期治療を目指すだけでなく、子育て期にある母子への心身のケアや育児サポート等の支援体制を検討する一助となる。 本研究は3つの研究課題で構成されている。子宮頸部前がん病変と診断された女性に対するインタビュー調査(研究課題1)を基に、看護支援モデルの原案を作成し、専門家による内容妥当性・実行可能性の検証(研究課題2)を実施する。その後、先行研究から妊娠初期検診で前がん病変と診断された女性への適応を検討(研究課題3)する。 先行研究により子宮頸部前がん病変と診断された女性の受診行動の阻害要因として、スティグマが報告された。そこで、研究課題1として、前がん病変と診断された女性のスティグマ体験を明らかにするためのインタビュー調査を実施した。その結果、子宮頸部前がん病変と診断された女性は【偏った性交経験へのレッテル】や【がん患者という同情的な視線】を感じ、【過去の行いに対する後悔の念】や【不確かな心配事に対する自責の念】という感情を抱くというスティグマを経験していた。これらのスティグマの経験により【子宮頸がんに対する偏見の予期】や【パートナーとの関係維持における障壁】、【自己開示の躊躇による受診行動の妨げ】、【今後の人生への脅威】となる一方で、【否定的体験から他者貢献への転換】という他者との関係や生活への影響を生じていることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度は、研究課題2として、看護支援モデルの原案を基に、専門看護師、産婦人科で勤務する看護職、産婦人科医師らを対象に、モデル原案の内容妥当性・実行可能性を調査する予定であった。しかし、COVID-19感染症により医療者を対象とした面接調査の実施が困難となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度もCOVID-19感染症により医療者や患者を対象とした面接調査の実施は困難となる可能性がある。そのため、先行研究を踏まえモデルの内容を洗練させること、オンラインを用いた調査や質問紙調査へ調査方法を変更し、研究の遂行を目指す。
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Causes of Carryover |
オンラインでの学会参加、論文投稿に関わる費用を使用した。今後は、研究対象者への謝礼やオンラインでの面接調査に対する機器整備費や質問紙調査等の消耗品等が発生する見込みである。
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