2019 Fiscal Year Research-status Report
看護職のための簡便かつ効果的な禁煙サポートツールの開発と評価
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19K19582
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
谷口 千枝 愛知医科大学, 看護学部, 准教授 (60738251)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 禁煙支援 / 看護師 / 実践セミナー |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,これまで研究者が行ってきた,全国での禁煙支援セミナーのアンケート調査から,看護師の禁煙支援に関する問題点を明らかにした。セミナー受講者352名中,3ヵ月後の回収数は108名、回収率30.7%であった。研修以降、禁煙支援を行う機会があったと回答した者は58名(53.7%)であった。このことから,禁煙支援セミナーに参加するモチベーションの高い集団であっても,その後の禁煙支援の実施率は低いということが明らかになった。禁煙支援の実施率が低いということは,実践からの学びが少なく,看護師の禁煙支援の自己効力感も高くないことが予測された。そこで我々は看護職を対象とした模擬患者(Simulated Patients: SP)を利用した実践版のセミナーを開催し,その効果評価を行った。セミナーは,少人数制とし,ミニレクチャーとワークショップ(面接,振り返り),グループワークの構成とした。参加者は23名であり,全員から前後のアンケートの協力を得た。セミナーの満足度について,全体,ミニレクチャー,ワークショップ,グループワークに分類して5段階で調査した。全ての項目で「とても満足」と回答した者は70%を超えた。研修会での禁煙支援の習得度について,ほとんどの参加者が十分習得できた,ある程度習得できたと回答をしていた。ワークショップ前のこれまで学んできた禁煙支援の習得度と比べると,統計学的有意に変化がみられた(p<0.001)。禁煙支援について先行研究に沿って9つに分類し,それぞれの自信を5段階で調査した。すべての項目でワークショップ前後では統計学的有意に自信が高まった。 本セミナーでは,多くの受講者が自信を持つことができ,さらに禁煙支援に取り組むためのモチベーションも高まった。今後は録画データを基に,対象者の基本属性や自信と,実際のコミュニケ-ション内容との関係性を評価する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
病院看護師へのアンケート調査は,新型コロナウィルスの影響で今年度は控えた。今後は計画を変更した上,実践編のセミナーに対するアンケート調査を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
病院看護師へのアンケート調査については,新型コロナウィルスの影響が収まった後に考慮する。効果的な教育方法に関しては,SPと看護師の面談の動画撮影を考えたが,今年度行ったSPを使ったセミナーの評価が高いため,まず先行してSPセミナーを行い,必要があれば動画撮影を行うよう変更する。
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Causes of Carryover |
今年度はアンケートを実施せず,SPセミナーを実施したために差額が生じた。来年度はSPセミナーに優先的に予算を利用する予定。
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