2021 Fiscal Year Research-status Report
思春期・青年期1型糖尿病患者の身体感覚に着目した性差別支援プログラムの開発
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19K19586
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
山崎 歩 大阪医科薬科大学, 看護学部, 准教授 (20457352)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 1型糖尿病 / 思春期・青年期 / 性差 / セルフマネジメント / 支援方法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、継続して成人した1型糖尿病患者を対象に思春期・青年期での自己管理についてのインタビューを実施していった。協力の得られたインタビューデータを追加して分析を実施した。小児期発症の1型糖尿病の男性の思春期・青年期における疾患管理の体験は、10カテゴリーから構成され、中学入学後は、周囲に気遣って行っていた〔学校での補食の障壁が下がる〕体験がみられていた。一方で、〔成長に伴う空腹感の出現〕がみられ、また、それまでの管理方法では血糖値が管理できない〔自己対処できないコントロール不良へのいら立ち〕を持ち始めていた。同時に、血糖測定や注射という管理の面倒さとともに病気を周囲に説明する面倒さという〔病気を持つ面倒くささ〕がつきまとっていた。青年期となると、学生生活や職場で低血糖による迷惑をかけたくない思いから疾患を説明し、血糖を若干高めに保つなどの〔周囲に対する気遣い〕や〔自分をいたわる〕気持ちが出現していた。更に、療養管理のなかでの〔積み上げた管理感覚を生かす〕ことや〔体得した管理を柔軟に日常にあわせる〕ことを行っていた。また、生活のなかで〔病気を持つ自分を個性や強みと捉える〕ことや〔家族の協力あっての自分〕という意識がみられていた。 また、小児1型糖尿病を外来で指導した看護師にプレインタビューを実施し、思春期・青年期の患者では、罹病期間が長くなることに関連して、再度の教育介入を行うタイミングを迷うことや、患者主体であるために、必要以上の介入や確認を行っていない現状などが明らかとなった。2021年度に小児期発症の1型糖尿病患者を思春期・青年期に支援した経験のある糖尿病看護認定看護師の支援方略について分析を行い、論文作成と投稿を行った。論文の結果と今回のプレインタビューの結果を踏まえ、次回計画している外来看護師のインタビューガイドに役立てていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍であり、対面でのインタビューが難しいことなどから予定より大幅に進捗が遅れている。現在、オンラインでの面接も実施しており、これらのツールを活用しながら、感染予防に努めながら更に対象者を募っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる2022年度は、男性、女性それぞれのインタビューから抽出された自己管理状況や困難、セルフモニタリングについてのアンケートを作成し、量的調査を予定している。 また、療養支援のある看護師を対象に具体的な支援内容や困難感についてもプレインタビューや、糖尿病看護認定看護師から得られたインタビュー結果を参考に、インタビューガイドを作成し、インタビューを計画していく予定である。
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Causes of Carryover |
研究の遅れにより、研究期間延長を行ったため、2022年度に研究費として繰り越し使用予定である。 2021年度の小児科外来看護師へのプレインタビューをもとに対象者を募りインタビューを行う際の謝礼およびテープ起こし代金として支出を計画している。また、並行して、思春期~青年期の1型糖尿病患者を対象としたアンケート調査を実施予定であるため、アンケート用紙印刷費用、郵送費等を予算として計画している。
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Research Products
(2 results)