2021 Fiscal Year Research-status Report
患者の多声的ナラティヴを通して転換する精神科看護師の実践
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19K19589
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
眞浦 有希 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 助教 (40803135)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 精神科看護 / ナラティヴ |
Outline of Annual Research Achievements |
1.オンライン・インタビュー実施に向けた研究計画の修正と倫理審査、研究参加者のリクルートについて
新型コロナウイルス感染症の拡大が継続していたことから、当初計画していた対面によるインタビュー調査の実施が困難であった。そのため、オンライン・インタビューの実施へと計画修正を行い所属機関の倫理審査で承認を得た。研究参加者のリクルートは看護系雑誌への広告掲載により試みたが、研究参加につながる十分な応募者数を得られなかったため、次年度も引き続き広告掲載によるリクルートの他、関係機関への紹介依頼や機縁法によるリクルートに努める。
2.文献研究 精神科看護における患者の「語り」の位置付けや、「語り」をきく看護師の経験に関する先行研究のレビューを行っている。具体的には医学中央雑誌・MEDLINE・CHINAL・PsycINFOを用いて国内外の精神科看護と患者の語りをテーマに文献を検索した。シソーラス/キーワード検索では「精神看護」「語り」「傾聴」「Narrative」「Narration」「Psychiatric Nursing」「Storytelling」「Listening」などの検索用語を用いた。検索式については生命科学系の文献に精通している図書館司書のコンサルテーションを受けた。4つのデータベース検索から合計759件がヒットし、アブストラクトによるスクリーニングの結果、39件(PsycINFより0件・重複のため、MEDLINEより10件、CINAHLより15件、医学中央雑誌より14件)の文献を精査・統合することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響が継続するなかで、講義や実習内容の大幅な変更と学生対応など教育に関わる業務量が増大し、研究活動に関するエフォートの低下を余儀なくされた。研究参加者のリクルートは看護系雑誌への広告掲載を行ったが、十分な応募を確保することができなかった。新年度は任期満了に伴う所属機関の異動により、研究倫理審査の再申請や環境調整等にも時間を要することが予想されるため、スムーズな移行を目指して準備を整えている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.文献研究の成果発表 精神科看護における患者の「語り」の位置付けや、「語り」をきく看護師の経験に関する先行研究のレビュー論文発表に向けた準備を継続する。4つのデータベース(医学中央雑誌・MEDLINE・CHINAL・PsycINFO)の検索結果をスクリーニングし、得られた39文献を精査・統合した結果をナラティヴレビューとしてまとめる。
2.オンライン・インタビューの実施とインタビューテキストの分析 次年度も新型コロナウイルス感染症の収束が不透明な情勢にあり、精神科病棟に勤務する看護師を対象としたインタビュー調査の実施は難しい可能性があるため、オンラインでの実施計画を継続する。研究参加者のリクルートは、次年度も引き続き看護系雑誌への広告掲載や、関係機関への紹介依頼・機縁法等により行う。オンラインによる時間的・地理的・経済的制約が低減されるため、可能な限り十分なヴァリエーションの分析結果が得られるよう事例数の確保に努める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大による各種学会・研究会のオンライン化に伴い、旅費等が大幅に減少した。また研究参加者のリクルートが困難であったため、謝金等の支出が生じなかった。次年度予算として、学会参加に伴う旅費や研究参加者への謝金等に使用するよう計画している。
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