2019 Fiscal Year Research-status Report
一般病棟看護師を対象とした多量飲酒者へのケア実践ガイドの作成と有用性の検証
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19K19595
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
内野 小百合 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, その他, 講師 (90758757)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多量飲酒 / 危険な飲酒 / アルコール関連問題 / アディクション / 看護実践 / 二次予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、総合病院の一般病棟看護師がアルコール関連問題低減に寄与するため、①看護師の多量飲酒者の早期発見と早期介入に関するケア実践とその関連要因を明らかにすること、②明らかになった関連要因を参考にケア実践のガイドを作成し、有効性の検証を行うことを目的としている。 今年度(令和元年)は、プライマリケア領域における多量飲酒者、危険な飲酒者に対する看護職者による予防介入実践について、国内外の文献レビューを行った。他国の研究からは、看護職者への教育不足、知識不足、職場の支援不足などから、対象者に対し看護職者が介入に消極的であることが報告されていた。しかし、2010年頃より看護職者による対象者への予防介入研究が増え、対象者の飲酒量低減効果が報告されていた。予防介入を行う看護職者は、国によって正看護師、ナースプラクティショナーやアルコール専門看護師など様々であった。また、他職種で連携することの重要性、予防介入方法として簡易介入が多く用いられていること、動機付け面接を組み合わせた簡易介入や心理教育プログラムも効果的であることなどが明らかとなった。看護職者の教育背景のみならず、医療制度や文化背景は異なるため単純に導入はできないが、わが国の看護師に適したガイド作成に向け、参考となると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は国内外の文献レビューを行う計画であり、予定通り遂行している。引き続き文献レビューは実施し、様々な知見を得ていく。 次年度は看護師を対象とした調査を行う予定であり、現在研究代表者所属機関の倫理審査委員会に申請中である。しかし、COVID-19の影響により、倫理審査委員会が延期となっており、調査開始がやや遅れる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度、総合病院の一般病棟看護師を対象とし、①ケア実践とその関連要因を明らかにする調査を、混合研究法の説明的順次デザインを用いて行う予定である。第一段階として質問紙調査を、第二段階としてインタビュー調査を実施する。調査実施に関しては、感染予防対策を十分に行い、やや予定を長期に伸ばし、対象者の勤務状況なども配慮し実施する。 第一段階の質問紙調査では、看護師の看護実践と対象者への態度との関連を明らかにする。 第二段階のインタビュー調査では、個別、グループインタビューを行い、尺度のみでは測れない看護師の実践時の困りごとや経験などを抽出する。 その後、②明らかになった関連要因を参考にケア実践のガイドを作成し、臨床現場での有効性の検証を行う。
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Causes of Carryover |
次年度は、質問紙調査及びインタビュー調査を実施する予定である。調査及び依頼などの調整に伴う物品費、交通費、謝金が必要となる。 なお、今年度COVID-19の世界的な流行により、予定していた学会や出張の中止が生じた。次年度も感染状況を鑑み、学会や出張を予定していく。
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Research Products
(1 results)