2019 Fiscal Year Research-status Report
造血幹細胞移植受療患者の臨終期における看護実践モデルの検討
Project/Area Number |
19K19602
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
大庭 貴子 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (90803099)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 造血幹細胞移植 / 臨床看護師 / 看護実践 / 看護実践モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
造血幹細胞移植は、血液癌や一部の疾患に対する有効な治療手段であり、その件数は近年大幅に増加している。しかし、この治療法は大量の抗がん剤投与等を用いるため、身体への侵襲性も高く、患者が治療の中で命を落とすことも少なくない。それでも、これを最後の手段として命をかけて治療に臨む患者も多い。造血幹細胞移植看護では、治療期の支援と共に、こうした最期まで治療に臨みながら死を迎える「臨終期」の支援も多く求められる。本研究は、造血幹細胞移植という極めて専門性が高く、さらに、多くの困難感が内在する臨終期看護に着目し、質の高い看護実践がなされる為の看護実践モデルの構築を目指すものである。 本年度は文献調査を経て、臨床看護師を対象としたインタビュー調査を実施している。現時点で8名の看護師(女性6名、男性2名)の協力を得て分析を開始している。その結果、看護師は造血幹細胞移植受療患者の臨終期において、患者にとって苦痛が最小限のケアを常に模索し、安全かつ継続的なケアを実施していることや、患者の治療への意思に沿いながらも、残りの時間を患者本人らしく過ごせるよう支援する等の看護実践が示されてきている。今後はインタビュー調査対象者をさらに増やして分析を深め、その結果を基に定量的な調査へ進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
世界的感染症の拡大や医療逼迫の現状から、臨床看護師である研究対象者の募集及び調査が一時的に困難な状況になった為、インタビュー調査の対象者数が現時点では予定数に達していない。今後インタビュー方法や調査期間を検討しながら調査を継続し、計画に沿って進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はインタビュー調査の対象者をさらに増やして調査を継続する予定である。また、当初の計画に沿ってインタビュー調査の結果を基に定量的な調査へ進展させていく予定である。研究結果は関連学会での発表及び論文投稿を予定している。
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Causes of Carryover |
世界的感染症の拡大や医療現場の逼迫に伴い、一時的に調査継続が困難な状況にあった為、インタビュー調査数が予定数に達していない。そのため、予定していた人件費・謝金や旅費、及び分析ツール使用分等が次年度に繰り越しとなった。
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