2020 Fiscal Year Research-status Report
ICUに入室する周術期患者が「最も判断が難しい時期」に備える意思決定ガイドの開発
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19K19613
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
山本 加奈子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (00833477)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アドバンスケアプランニング / 意思決定 / 集中治療室 / 周手術期 / 看護外来 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度に「手術後にクリティカルケアを受ける患者へのadvance care planning(ACP)に関する意思決定ガイド」のドラフト版2冊を作成した。1冊目はACPの概要の理解を支援するためのサポートガイド、2冊目は救命率が低下した場合に、どのような治療を受けたいと考えるかを意思決定するためのツールとして作成し、2冊を1セットとして使用する作りとした。 この2冊のドラフト版の意思決定ガイドについて、2020年度には①医療者と②患者へユーザビリティ、アクセシビリティの点で評価を得た。①医療者への評価は、集中治療室で勤務する医師と看護師、病棟で勤務する医師や看護師とし、緩和ケア領域やがん領域、地域・在宅ケアを専門とする医療者から幅広く意見聴取を行うことを目的とした。方法は、調査票による評価とインタビューの実施により行った。また、②患者への評価は調査票により評価を行った。これは、手術を受けて集中治療室に入室した経験のある患者を対象に実施をした。これらの①と②の研究の結果から、ドラフト版のガイドの改訂を行った。 これらの研究の結果から、ハイリスクな手術を受ける患者への術前ACP支援について、患者は術前不安を増加させるリスクは低いと評価する人が多かったのに比較し、医療者は患者の術前不安を増加させることを懸念する人が多く、両者の認識には差があることが明らかとなった。 2020年度の研究実績として、2019年度に実施した研究の成果をInternational Conference on Communication in Healthcare 2020にて発表し、意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は、COVID-19の感染拡大の影響があり研究フィールドの確保に難渋し、また研究方法の変更を余儀なくされた。しかし、予定していたパートまでの研究を終えることができ、2021年度計画していた研究を現時点では予定通り開始できる予定であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、改訂した2冊の意思決定ガイドを用いて実行可能性評価を予定している。 実際に、手術を受けた後に集中治療室に入室する予定の患者と家族を対象に、開発したガイドを使用して頂き、ガイドの有効性を実地テストする計画である。 2021年度に実施するFeasibility Studyによってガイドのプロセス評価を行い、その後、アウトカム評価を実施していく計画である。
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Causes of Carryover |
2020年度参加を予定していた国際学会や国内学会の開催方法、時期がCOVID-19感染症の拡大で多々変更を生じ、予定していた学会への参加ができず予算変更を生じた。 2021年度は2020年度に参加できなかった学会へ参加し、成果報告を行う予定である。
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Research Products
(4 results)