2020 Fiscal Year Research-status Report
再入院する統合失調症患者に対する希望ある看護のプロトコール―介入研究による検証―
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19K19622
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
牧 茂義 岐阜大学, 医学部, 助教 (90783415)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 再入院 / 統合失調症 / 介入研究 / プロトコール / continuity of care |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,統合失調症を患い再入院を繰り返す個人への看護の指針「看護プロトコール」を開発し,その有効性を検証することである。プロトコールの要素には,①統合失調症を患い再入院を繰り返す個人に対して,看護師は希望を持ち続けて看護を継続できること,②統合失調症を患う個人に対して,地域生活から入院へ,入院から地域生活へ,という移行において継続的・安定的にケアが提供されるように調整すること,の2点が含まれる必要がある。 2020年度においては,1.看護の指針「看護プロトコール」の検討,2.看護プロトコールの有効性を検証する介入研究の計画,を行った。1.看護の指針「看護プロトコール」の検討に関して,看護プロトコールの根拠となる“看護の構造を明らかにした論文”を作成し,国際学術雑誌に公表した。2.看護プロトコールの有効性を検証する介入研究の計画に関して,立案を済ませた。今後,所属機関及び研究実施施設における研究倫理審査委員会に研究計画を諮り,2021年度早期の実施の承認を得ていく。看護プロトコールの有効性を検証する介入研究の計画において,統合失調症を患い再入院を繰り返す個人に対して,看護師が希望を持ち続けて看護を提供していくことが重要である。希望を持ち続けていくためには,看護師の仕事に対するモチベーションを高めたり,wellnessを高めていく必要がある。そのためには,自己の看護実践を振り返り,見つめなおして,実践できている部分を自己で認識することが有効であるだろう。看護プロトコールを作成するにあたって,看護師が実践できている部分と,さらに実施する必要がある部分を自己で適切に認識できるよう検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
看護プロトコールの根拠となる“看護の構造とその関連要因を明らかにした論文”を作成,発表するために想定よりも多くの時間を要した。 さらに,所属を変更したことにより,研究の進捗がやや遅れた。 新型コロナウィルスの感染拡大に関する社会情勢は,研究の進捗状況に直接的には関連はしていない。しかし,間接的な関連はある。日常の大学における業務として,授業等の準備と大学運営に要する時間が増加した。これらの要因が,やや遅れている理由として挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度はすみやかに,所属機関及び研究実施施設における研究倫理審査委員会に研究計画を諮り,2021年度早期の研究実施の承認を得ていく。2021年度には,介入研究の実施を開始し,介入研究のベースラインとなるデータを収集していく。2022年度には,データ収集を継続し,論文として結果をまとめる作業に着手していく。2022年度中には,研究結果の一部(介入研究のベースラインとなるデータ)を発表していくことをめざす。
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Causes of Carryover |
看護プロトコールの作成に当たり,根拠となる“看護の構造と関連要因を明らかにした論文”の作成と発表に想定よりも多くの時間を要した。それによって,研究の進捗が遅れた。これが,次年度使用額が生じた理由である。
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