2021 Fiscal Year Research-status Report
麻痺側上肢の浮腫軽減を目指した非麻痺側上肢運動による新規アプローチの臨床実践検証
Project/Area Number |
19K19623
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Research Institution | Seijoh University |
Principal Investigator |
林 浩之 星城大学, リハビリテーション学部, 准教授 (40440820)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 浮腫 / 静脈 / 運動 / 麻痺 |
Outline of Annual Research Achievements |
浮腫を軽減するためには,浮腫のある部位の筋を繰り返し収縮することによって静脈還流を促進させることが最も効果的であると考えられているが,麻痺側上肢に筋ポンプ作用はほとんど期待できない.さらに,麻痺側上肢に対する電気刺激法などの外部刺激による方法効果が限定的であり,麻痺側上肢浮腫を軽減する有効な方策の発展が強く望まれる 本研究では脳卒中患者を対象とした臨床実践検証として,非麻痺側ハンドグリップ運動による麻痺側上肢の静脈還流促進作用を応用した浮腫軽減効果の検証および定量評価に基づく浮腫に関連する因子について解明することを目的ととしている.麻痺側上肢の浮腫軽減や浮腫に関連する因子が明らかになれば,臨床現場への応用へと発展し,患者へ多大な恩恵をもたらすと期待される. 浮腫軽減効果の検証に関しては,5名の対象者を予定しており,非麻痺側でハンドグリップ運動を実施する期間,実施しない期間,実施する期間の3期間の浮腫軽減程度を測定することで浮腫軽減効果を明らかにする予定である.また,定量評価に基づく浮腫に関連する因子の調査は,50名の対象者を予定している.超音波診断装置を用いた静脈還流,レーザードップラー血流計を用いた末梢血流量,生体電気インピーダンスを用いた筋肉量などの定量評価と浮腫の程度の関連性について明らかにする予定である. 本研究は脳卒中患者を対象とした臨床現場での実践研究である.Covid-19感染症の蔓延により臨床でのデータ収集ができないことが続いたが,今年度になって開始することが可能となった.いまだ対象者数が少ない状況が続いているが,積極的に研究を進め,本研究の目的を達成できるよう努めていきたい.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Covid-19の蔓延により,対象者リクルートに制限がきたされたため研究は遅れている.ただし,今年度から臨床での対象者リクルートが可能となった.
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Strategy for Future Research Activity |
対象者リクルートが可能となったことで研究が進みだした状況である.実際に数名の対象者から協力を得てデータ収集を進めている.現段階で研究計画に変更はない.
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Causes of Carryover |
本研究では,研究対象者および研究協力者へ研究謝金として使用する予定であった.しかし,臨床での研究実践が困難な時期であったため謝金を使用することができなかった.また,研究協力施設への旅費あるいは学会参加旅費についても上記の理由により使用できなかったため次年度使用額が生じた.今後の使用計画としては,これまでに使用することができなかった謝金や学会参加費として使用する.
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