2020 Fiscal Year Research-status Report
心筋症を病む人の看取りを経験した家族の語りに基づく意思決定の解明とその看護
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19K19625
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
青野 美里 摂南大学, 看護学部, 助教 (90793745)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 心筋症 / 意思決定 / エンドオブライフケア / ライフストーリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、心筋症を病む人が最期までその人らしく人生を全うするための意思決定支援のあり方について検討するために、研究計画当初は看取りを経験した家族にその経験を訊ねることを想定していた。しかし、現在、当事者性に価値を置く必要があると研究実施にかかるプロセスにおいて検討されたことから、心筋症を病む人自身を参加者とし、発症してから現在の生活についての豊富な語りから、その人の日常に埋もれている意思決定について解明することを目的としている。 本研究では、これまでの先行研究にみられるような人々の意思決定を心不全増悪時や治療選択といった治療をベースとしたステージで区分するような捉え方ではなく、発症してから現在までのそれぞれに複雑かつ多様な生を営む、というその人に根差したありふれた日常の経験からホリスティックに捉えなおすことを基調としている。そのため、本研究は心筋症を病む当事者の視点から見たエンドオブライフケア構築の基盤となることが期待できるとともに、「心不全患者」と一括りにされてきた心筋症を病む人とその家族が生き抜くことに寄与するものと考える。 本年度は、新型コロナウィルス流行にともない研究活動が制限され、思うような研究実績を上げることが出来なかった。研究者の研究時間捻出が困難であったこと、参加者への健康面での配慮を行う必要が生じたことがその要因である。そのため、方法論の検討や研究にあたっての予備的検討を行いながら、関係部署との調整をするにとどまった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス流行の影響を受け、研究者自身の研究活動の時間捻出が困難となったことと、研究参加者との面接の機会を持つことが困難となったことから、研究が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの影響を考慮した計画へと速やかに変更した上でインタビューを実施し、内容について分析を行う。その後、ケアのあり方について検討する。 分析にあたっては、現在研究者が在籍する博士後期課程の指導教員のスーパーバイズを受けながら、研究会での検討を重ねることで、記述をより厚みある洗練されたものとしたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス流行にともない、思うような研究活動遂行が困難であったことから、当初の予定から研究が遅れ、次年度使用額が生じた。 次年度は研究参加者へのインタビューを行うための交通費、謝金、データトランスクリプト代に加え、通信費が必要となる。また関連学会の学術集会参加・発表や研究会参加に係る参加費、さらには関連する図書資料の購入費として使用する計画である。
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