2022 Fiscal Year Research-status Report
固定素材に熱可塑性樹脂を応用した鏡視下手根管開放術の術後指導効果の検証
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19K19627
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
平田 淳也 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (70759456)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 手根管症候群 / ECTR / 熱可塑性樹脂 / Fiberglass |
Outline of Annual Research Achievements |
手根管症候群のendoscopic carpal tunnel release後の後療法として、熱可塑性樹脂によって手関節を固定し、ADL指導することでADLの早期復帰に有効である可能性がある。 そこで本研究では、日常生活で上肢運動の制限が少ない固定法について検討した。 第1の研究課題として、手関節を固定するための方法として、素材の種類と厚さの違いが上肢機能に及ぼす影響について検討した。その結果、固定素材に厚さ2.4㎜の熱可塑性樹脂を使用して、手関節を掌側から支持して固定する方法が他の方法と比較してもっとも上肢の制限が少ないことが示唆された。 第2の研究課題として、これまで検証した固定方法の違いが日常生活における上肢の使用量と動作の困難度に及ぼす影響について検討した。その結果、手関節を固定することで、固定しない場合と比較して上肢の使用量・使用時間が減少した。Fiberglassによる固定と熱可塑性樹脂による固定の比較では、使用量・使用時間ともに有意な差はみられなかったが、蛇口をひねる動作においてFiberglassによる固定が熱可塑性樹脂による固定より動作の困難度が低かった。このことから、日常生活では、Fiberglassによる固定方法のほうが動作が行いやすい可能性があるが、脱着の手間や防水性といった観点では、熱可塑性樹脂による固定法の方が優れている可能性があり、更なる検討が必要であると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、第1に手関節の固定方法の違いが心理機能と上肢機能に及ぼす影響について検討した。熱可塑性樹脂による手関節固定は、fiberglassによるものと比較して上肢機能の制限が少ないが、ADL動作の制限は多いことが示唆された。また、熱可塑性樹脂で作製したカックアップスプリントは、2.4mmの掌側カックアップスプリントが他の方法と比較して上肢機能の制限が少ないことが明らかとなった。第2に、手関節の固定方法の違いが日常生活の上肢の使用量に及ぼす影響について検討した。熱可塑性樹脂による手関節固定とfiberglassによる手関節固定は、上肢機能に及ぼす影響は異なっていたが、日常生活の上肢の使用量には違いがみられなかった。 これらの成果については論文にて公表予定であるが、予定していた期間での公表が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
第57回日本作業療法学会にて発表予定である。また、学会発表済みの研究については、論文を執筆し、現在投稿中である。
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Causes of Carryover |
論文の執筆が遅れており、そのための英文校正費用と論文投稿費用を使用していないため、未使用額が生じた。次年度に英文校正と論文投稿に使用予定である。
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