2023 Fiscal Year Research-status Report
延命治療とした血液透析の開始見合わせや中止時の看護実践の実態と課題に関する研究
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19K19631
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
石川 美智 長崎県立大学, 看護栄養学部, 教授 (40638706)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 延命治療 / 血液透析 / 開始見合わせや中止 / 意思決定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も前年度に引き続き、延命治療としての血液透析の開始見合わせや中止を患者の希望通り実施あるいは実施できなかった時のプロセスとそのプロセスの帰結への関連要因を明らかにすることを目的とし、日本透析医学会の認定・教育関連施設で血液透析治療に携わっている看護師を対象としインタビューを実施した。前年度は、看護師7名から研究参加への同意が得られたが、コロナ感染状況により看護師2名から研究協力が撤回され5名の看護師へのインタビュー調査を実施した。本年度は調査地域を拡大し22施設に研究協力を依頼した。8名の看護師より研究協力の同意が得られたが、コロナ感染状況により看護師2名から同意を撤回され、6名の看護師へのインタビューを実施した。当初の計画では、インタビュー調査の対象者数を20名と予定していたが、本年度まで11名(5県)の看護師のインタビューが終了した。次年度が研究の最終年度となるため、収集したデータの分析を実施する。 当初の最終年度の計画は、国内における延命治療としての血液透析の開始見合わせや中止における現状から問題を整理し、課題を明らかにする予定であった。初年度(2019年度)日本透析医学会の認定・教育関連施設(1070施設)で血液透析治療に携わっている看護師を対象として実施した質問紙調査『血液透析の開始見合わせや中止時における看護実践の実態調査』の質問項目「血液透析の開始見合わせや中止における現状の課題」の自由記述内容も活用する。この質問紙調査の自由記述内容を帰納的に内容分析を行い、その結果を学会で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
延命治療としての血液透析の開始見合わせや中止を患者の希望通り実施あるいは実施しなかなかった時のプロセスとその帰結への関連要因を明らかにするため、当初の計画では約20名の看護師にインタビュー調査を実施する予定であった。しかし、本年度コロナ感染症が5類に移行したものの施設より研究協力が得られず、インタビュー協力者2名からはコロナ感染予防のため協力を辞退され、調査を予定通り進めることができなかった。昨年度5名、本年度6名、計11名のインタビュー調査が終了した。本年度収集しているデータの内容分析を開始する予定であったが、研究者の健康上の問題があり、分析が開始できず、予定通り研究が進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、インタビュー調査で得られた11名の看護師の各語りの内容の分析を開始する。 1次調査である質問紙調査の自由記述内容「血液透析の開始見合わせや中止における現状の課題」の分析の結果をまとめ、論文化し投稿する。 延命治療としての血液透析の開始見合わせや中止のプロセスとその帰結への関連要因を明らかにし、分析の結果をまとめ学会で報告し、論文化し投稿する。 透析の拒否権が法的に認められている欧米諸国の文献を参考に、わが国で透析の見合わせや中止が適切な医療の選択肢の1つとしていくために必要な看護を明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
当初計画では、インタビュー調査を20名実施予定であったが、本年度6名の看護師へのインタビュー調査の実施であった。コロナ感染状況により、インタビュー調査がオンラインで実施することになり、計上していた旅費がかからなかった。また、研究対象者の施設が同一県であるとインタビュー内容に地域特性が影響することを考慮し、研究対象者が異なる県となるよう計画していたが、1施設から2名の方に研究協力して頂くこともあり、旅費が予定より少額となった。インタビュー内容の逐語録の作成も行っていないため使用していない研究費があり、次年度使用する。
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