2020 Fiscal Year Research-status Report
Work stress among nurses engaged in palliative care on general wards -A Study on Comparison of the results between Japan and Australia-
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19K19632
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Research Institution | Kanagawa Dental University Junior College |
Principal Investigator |
寺門 亜子 神奈川歯科大学短期大学部, その他部局等, 教授 (70712735)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 看護師 / ストレス / 緩和ケア / 一般病棟 / 国際比較 / がん看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本と豪州の一般病棟で緩和ケアに携わる看護師のストレスの実態を明らかにすることを目的としている。看護師の不安や対処方法にも焦点化しながら、ストレスとその影響要因との関連を探究するとともに、両国間を比較検討することで、多角的な視点からストレスの実態を分析したいと研究を進めている。 しかし、昨今のCOVID-19の影響に伴う医療の逼迫状況により、日本・豪州ともに看護師へのアプローチは倫理的配慮が必要な状況となった。本テーマが対象としている看護師は一般病棟で緩和ケアに携わる看護師であるが、まさに医療の逼迫により多くの影響を受けていることが予測される。COVID-19の患者へのケアとともに、緩和ケアが必要な患者のサポートもこれまで通りに行う必要があり、その負担感やあらゆる葛藤による苦悩ははかりしれない。 よって2020年度は、本研究を進めていく上で今後必要となる知見の獲得をさらに行うとともに、COVID-19に伴う医療の逼迫状況の把握と、そこで奮闘する看護師の心身の疲弊はじめストレスの現況を体感するため、筆者自身が臨床に身を置く時間を増やしながら研究活動を継続した。本テーマを探究するひとりの医療者として、臨床で邁進している看護師たちの目線も持つことで、真実や本質に基づいたリサーチクエスチョンをさらにブラッシュアップする機会とした。今後は豪州の看護の現況も臨床の目線から把握していきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
可能な範囲で日本・豪州の両国にアンケート用紙(日本は紙媒体、豪州はインターネットリサーチ)を配布する予定であった。しかし、予想を超えるCOVID-19に伴う情勢により医療現場は逼迫した状況であり、そのため対象者への倫理的配慮も踏まえ、アンケートの実施時期は慎重に決定していく必要があった。よって対象者の心身の安寧を踏まえ、該当年度の積極的な対象者へのアプローチは控えた。今後もアンケート実施時期や方法は慎重に決定していく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の対象者は臨床の看護師であり、まさにCOVID-19関連のケアに伴う疲弊やストレスが社会問題になっている医療現場に身を置いている。そのような状況の中で、本研究遂行のためのアンケート調査を依頼することは、対象者の心身への負担感を増強させる要因にもなり得る。まずは対象者への倫理的配慮を優先し、アンケート調査依頼時期は、今後の情勢を踏まえながら慎重に決定していくこととする。筆者自身も臨床に身を置く時間を増やしながら、現状と看護師が抱くあらゆる思いを共に感じつつ、情勢を鑑みた現実的な研究プランをリスケジュールしていく。アンケート実施に至るまでに、知見の獲得、アンケート用紙やインターネットリサーチに必要となるツールの準備等も同時に進めていきたい。
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Causes of Carryover |
2020年度までに実施できなかった研究計画を遂行するために計上していく予定である。しかし情勢を鑑みた実施が必要であるため、状況に合わせながら経費の使用計画を微調整していく。当該年度におけるアンケート調査が困難な場合には、研究実施に必要となる知見の獲得のために計上していきたい。また、本テーマに関する筆者の先行研究の論文化の手続きに必要となる費用として計上していきたい。アンケート調査を依頼する予定の研究協力施設との事前打ち合わせ等においては、当該施設に出向くことは難しいことが予測されるためweb会議等を考慮する。その際に必要となる経費を計上していきたい。
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