2021 Fiscal Year Research-status Report
妊婦の妊娠後期の睡眠と精神健康状態が乳児の睡眠発達と泣きに及ぼす影響
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19K19636
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
熊谷 真愉子 (小西真愉子) 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (20816251)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 母親の睡眠 / 母親の精神健康度 / 乳児の睡眠 / 乳児の泣き |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、(1)妊娠後期の妊婦の睡眠状態と、乳児(受胎後48~50週、52~54週、56~57週)の睡眠状態との関係、(2)妊娠後期の妊婦の精神健康状態と乳児の泣きとの関係を明らかにすることである。 正常妊娠経過であり、妊娠28週以降の単胎の初産婦とその出生児を対象とし、妊娠28~34週時に、(1)質問紙(基本属性、生活状況、ピッツバーグ睡眠質問票日本語版(以下、PSQI)、GHQ-28精神健康調査票(以下、GHQ-28)等)への回答、(2)1週間、睡眠日誌への記録、睡眠日誌記録中の2日間についてSilmee Bar Type Lite(TDK社、東京)を使用した睡眠測定を求めた。出産後(受胎後48~50週、52~54週、56~57週時)は、(1)質問紙(母子の生活環境等、母親のPSQI、GHQ-28等)への回答、(2)児の睡眠覚醒・泣き日誌の記録を求めた。時間的・物理的制約から実施可能な人数として80→60例に調査を行い、令和2年度にデータ収集を終了した。 協力が得られた60名のうち、早産、子宮内胎児死亡、記載不備があった者などを除く55名を分析対象とし、妊娠後期の母親の睡眠と乳児の睡眠発達との関係を検証した。乳児の睡眠は週齢48~50週から週齢52~54週の間に変化があり、週齢52週以降は睡眠が夜間に集中していくことが明らかになった。母親の妊娠後期の睡眠は週齢48~50週の児の睡眠と関係があり、自覚的睡眠の質の低下と児の睡眠問題には関連がある可能性が示唆された(熊谷真愉子、母親の妊娠後期の睡眠状態と乳児の睡眠発達との関係、第62回日本母性衛生学会総会・学術集会)。 令和3年度途中から、産前産後の休暇及び育児休業の取得に伴い研究を中断している。研究再開後は、得られたデータを再度分析し、論文執筆を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の実施計画では対象80例を予定していたが、時間的・物理的制約から実施可能な人数として60例に調査を行い、令和2年度にデータ収集を終了した。データ収集に関しては、おおむね順調に進行した。 得られたデータのから、(1)妊娠後期の妊婦の各睡眠指標と、乳児の受胎後3区間の各睡眠指標及び泣き指標との関連、(2)妊娠後期の妊婦の精神健康状態の指標と、乳児の受胎後3区間の各睡眠指標及び泣き指標との関連を検証している。 妊娠後期の母親の睡眠と乳児の睡眠発達との関係を検証した結果についてを、学会発表した。(熊谷真愉子、母親の妊娠後期の睡眠状態と乳児の睡眠発達との関係、第62回日本母性衛生学会総会・学術集会)。 令和3年度途中から、産前産後の休暇及び育児休業の取得に伴い研究を中断している。研究再開後は、得られたデータを再度分析し、論文執筆を進める。今年度は、分析の継続と論文作成を計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
協力が得られた60名のうち、早産、子宮内胎児死亡、記載不備があった者などを除く55名を分析対象とし、妊娠後期の母親の睡眠と乳児の睡眠発達との関係を検証した。その結果、乳児の睡眠は週齢48~50週から週齢52~54週の間に変化があり、週齢52週以降は睡眠が夜間に集中していくことが明らかになった。母親の妊娠後期の睡眠は週齢48~50週の児の睡眠と関係があり、自覚的睡眠の質の低下と児の睡眠問題には関連がある可能性が示唆された。 現在、産前産後の休暇及び育児休業の取得に伴い研究を中断している。研究再開後は、(1)妊娠後期の妊婦の各睡眠指標と、乳児の受胎後3区間の各睡眠指標及び泣き指標との関係、(2)妊娠後期の妊婦の精神健康状態の指標と、乳児の受胎後3区間の各睡眠指標及び泣き指標との関係についての検証を進め、今年度末までに論文を執筆し発表する。
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Causes of Carryover |
産前産後の休暇又は育児休業の取得に伴い研究を中断した。研究再開後、今年度は論文を執筆し海外雑誌への投稿を目指す。論文英訳校正のために費用を使用する。また、関連する研究知見を得るために学会へ参加する。
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Research Products
(1 results)