2022 Fiscal Year Annual Research Report
がん経験者の「労働生活の質」を向上する家族機能へのアプローチ手法の開発
Project/Area Number |
19K19639
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
副島 尭史 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (00768989)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | がん経験者 / 就労の質 / 患者活性化 / 家族からのサポート |
Outline of Annual Research Achievements |
1.実施概要:本研究は、1)がん経験者における就労の質 Quality of Working Life(QWL)の実態を明らかにする、2)QWL向上に対する介入のターゲットとして、リモートワークなどの新しい働き方、患者活性化、家族からのサポートへ着目し、QWLとの関連を明らかにする、3)がん経験者のQWL向上を目指した介入方法を開発することを目的としている。2023年度は、若年成人期にがんを発症した者(若年成人期がん経験者)を対象とし、がんや治療による合併症と職務パフォーマンス、ワーク・エンゲイジメント、ワークライフバランスに関するオンラインでのアンケート調査から得られたデータを解析し、成果発表を行った。 2.実施内容: 2021年1月から2月に、インターネットリサーチ会社と協働し、オンラインアンケートの作成・試行を行った上で、若年成人期がん経験者よりがんや治療による合併症と職務パフォーマンス、ワーク・エンゲイジメント、ワークライフバランスに関するデータを収集した。がんの診断時にリモートワークのみを利用している、もしくはリモートワークとフレックスタイムを利用している若年成人期がん経験者は、リモートワークとフレックスタイムを利用していない者と比較して、がんの診断後も働き続けられることを明らかにした。また、職場からのサポートを得ている若年成人期がん経験者は合併症による職務パフォーマンスへのネガティブな影響を軽減し、また職場からのサポートを得られなくとも、合併症があったとしても、患者活性化により職務パフォーマンスを向上できることが示唆された。上記の研究結果について、現在論文投稿中である。
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