2019 Fiscal Year Research-status Report
遠隔支援可能な新生児蘇生シミュレーション教育支ツールの開発と有効性検証
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19K19642
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
花岡 信太朗 京都大学, 医学研究科, 医員 (90813402)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | シミュレーション / 蘇生 / 遠隔医療 / 医学教育 / ICT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、①地域の中核病院とクリニックの双方向通信により、施設内スタッフの新生児蘇生技術向上および維持を図ることのできる遠隔教育システムを低コストで開発し、②その有効性の証明を目的とし、開発システムの運用により、施設立地に関係なく施設毎の効率的な新生児蘇生技術の向上および維持を期待するものである。具体的に①安価で汎用性のあるシミュレーショントレーニング用ツール開発②学習の質を高めるシナリオトレーニング動画振り返りツール開発③遠隔教育支援システム構築と遠隔教育効果検証試験を行う計画である。本年度の実績として、まず①については、これまで開発してきたツールをさらに汎用性が高いものにすべく、ブラッシュアップを行った。a)聴診器アタッチメントは簡単に聴診器に着脱でき、リアルな聴診器を思わせる外観とした。同ツールを管理するプログラム開発を進め、アプリ開発を行い、アプリを利用して、聴診器、モニター用タブレット、操作リモコン用タブレットとを無線で接続し、それぞれがリンクし、リアルなシミュレーションが実施できることを確認した。つまり、OnsiteでもRemoteでも無線ネット環境があれば、問題なく実施可能といえる。以上より、①については開発がほぼ完了し、実際に各施設でのデモ使用を進め、さらにブラッシュアップを行う。②についても、無線で撮影用タブレットを接続することで、シミュレーション動画を録画し、後に振り返ることが可能である。③検証実験にむけて、離島を含む全国の施設を連携をとっており、今後OnsiteとRemoteでの検証実験を行う準備ができている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の目的である、①安価で汎用性のあるシミュレーショントレーニング用ツール開発②学習の質を高めるシナリオトレーニング動画振り返りツール開発は完了およびブラッシュを進めることができていて、検証実験にむけての準備は完了している。検証実験については、実施施設との連携はできているが、現状Onsiteでの検証実験が困難な社会情勢であり、検証実験を進めることができておらず、さらに社会情勢によってはOnsiteでの検証実験を進めることが困難となる可能性も予想される。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の社会情勢から、感染拡大を防ぐため、On-siteでのシミュレーションツールの検証が困難な状況が続く可能性がある。今後Onsiteでのシミュレーション検証実験が不可能となった場合は、①ツールを郵送し、Web会議システムを利用して使用するツールの使用を解説し、検証施設毎にシミュレーションが可能になるよう進める②Remote単独とはなるが、申請者らがインスタントラクターとしてシミュレーション教育を行い、Remoteでの検証実験を行う。 ただし、Remoteでは手技(具体的に胸骨圧迫、人工呼吸)の確認が難しい側面があるため、それらテクニカル指標を確認するためツールを開発済である。さらに、手技の獲得維持にインストラクターを交えてのトレーニングだけではなく、セルフトレーニングが必要であると考えている。そのために、テクニカル指標を確認するツールをベースにした、セルフトレーニング支援アプリケーションの開発を同時に進めている。具体的には、一定期間ツールを用いてマネキンに対して手技を実施、その評価データが保存され、その場で手技の正確性の振り返りを行うことができる(人工呼吸:圧および速さ、胸骨圧迫:深さおよび速さ)さらに、その練習データが管理者(看護師長や教育担当看護師、病棟医長や教育担当医師)に送信され、練習状況の把握や各個人へのアドバイスを行うことが可能となる。こちらの開発を同時に進め、可能であれば検証実験を進めていきたい。
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