2019 Fiscal Year Research-status Report
アトピー性皮膚炎をもつ学童へのセルフケア獲得支援プログラム開発
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19K19645
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
杉村 篤士 東海大学, 医学部, 特任講師 (20708606)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / セルフケア / 学童 / 自己効力感 / 養育態度 / ソーシャルサポート |
Outline of Annual Research Achievements |
学童のアトピー性皮膚炎のケア(以下:ADケア)の主体性の実態とともに、自己効力感や親の養育態度、親、教師、友人との関係を調査することで、学童のADケアの主体性に関連する要因を明らかにすることを目的にアンケート調査を実施した。 調査対象は、アトピー性皮膚炎に罹患している9-12歳の小学生とその保護者で、調査項目は、児と保護者の背景、ADケアの主体性、重症度、自己効力感、養育態度、ソーシャルサポートを調査した。回収された109組を分析した。 分析対象者の属性で、保護者の年齢は平均41.98歳で、母親102名であった。ADをもつ子どもの年齢は平均10.31で、女性60名であった。アトピー性皮膚炎の発症年齢は平均1.97歳で、アトピー性皮膚炎で入院した経験のある子どもは19名であった。アトピー性皮膚炎の現在の重症度は、Clear or almost clear 23名(21.1%)、Mild eczema 37名(33.9%)、Moderate eczema 29名(26.6%)、Sever eczema 15名(13.8%)、Very sever eczema 5名(4.6%)であった。ADケアについては、「手や身体が汚れたら、お風呂の時でなくても、洗ってきれいにしている」など4つの項目は、学童の30%以上が「いつも自分でやる」と回答した。一方、「お風呂やシャワーのお湯の温度を、ぬるくしている」は「いつも家族がやる」が最も多い回答であった。ADケアの主体性の要因の検討では、児の年齢や、自己効力感、母親などのソーシャルサポートが高いほど主体性が高い傾向が見られた。一方、重症であったり、親が統制的であるほど、ADケアの主体性が低いことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、アンケート調査が終了し、現在データ分析及び研究成果の発表に移行することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
アンケート調査のデータを詳細に分析していく。その分析結果を学術集会や研究会で報告し、アトピー性皮膚炎をもつ学童を保護者への看護支援についての考察を深めていく。 また、アンケートと調査では、具体性が見いだせなかった内容については、追加でインタビュー調査の実施についても検討していく。
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Causes of Carryover |
前年度は、流行病の影響で年度後半の移動を控えたため予定よりも支出が抑えられた。 次年度は、学術集会への発表や英文投稿を行うため、前年度よりも多くの支出になることが予想される。
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