2019 Fiscal Year Research-status Report
がんで長期入院中の子どもの理解 看護師の「アンテナ」と「何か言いたそうな感覚」
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19K19657
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Research Institution | Komazawa Women's University |
Principal Investigator |
秋田 由美 駒沢女子大学, 看護学部, 講師 (40551081)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アンテナ / 看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児がん患者への心理的サポートの必要性は高いが、小児がん看護に携わる看護師は子どもの気持ちを理解することに困難を感じており、「子どもの意思を尊重するためのケアについて検討が必要」(髙橋,2014)と言われている。子どもの気持ちを理解するために、経験豊富な看護師は子どもに関する様々な情報を取得していることは明らかになっているが、アンテナをどのようにして身に着けたのかまでは明らかになっていない。以上のことから、本研究では、小児がん患者が多く入院する病棟での経験が豊富な看護師がもつ「アンテナ」「子どもが何か言いたそうな感覚」とはどのようなもので、それらをどのように身に着けたのか、また、その感覚を身に着けるためには何が必要なのかを明らかにすることを目的としている。 また、看護実践における「アンテナ」に言及した論文はいくつかあるが、「アンテナ」の概念は明確に定義されていなかった。そのため、本研究では、看護実践における「アンテナ」の概念分析を行った。分析方法はWalkerらの概念分析の手法を参考とした。この手法では対象とする言葉の様々な用法を集めるため、まず、朝日新聞記事データベース「聞蔵」と辞書・事典サイト「ジャパンナレッジLib」から、アンテナの様々な用法を集めた。さらに、「看護(nurse)」と「アンテナ(antenna)」を本文に含む文献のうち、医療機器や細胞のアンテナ等に関する論文を除いた和文献26件、英文献1件の合計27件を分析対象とし、「看護師が張るアンテナ」の概念分析を行った。研究結果は現在投稿準備中である。 【引用文献】 髙橋百合子,竹内幸江,吉川 久美子,他(2014).小児がんの子どもの死を経験した看護師の思いとグリーフケアにおいて望むことに関する調査.小児がん看護,9(1),63-72
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19感染拡大のため、研究協力依頼予定であった病院との交渉ができなくなり、調査予定が立たないことから、当初予定していたインタビュー調査の開始が遅れてしまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
テレビ会議システム等を使用し、遠隔でインタビュー調査を行う等、COVID-19の感染予防対策をした調査ができるように検討中である。調査対象が易感染状態にある患者が多く入院している病棟の看護師であるため、感染予防対策を徹底し、病院業務に影響を及ぼさない調査方法を検討している。
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Causes of Carryover |
当初予定では、2019年度中に看護師を対象としたインタビュー調査を始める予定であったが、COVID-19の感染拡大により、インタビュー調査を行うことができず、旅費や謝金が使用されなかった。2019年度に行う予定であったインタビュー調査を2020年度予定のものと合わせて行うことができるように、感染予防を踏まえたインタビュー方法の検討を行っている。
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