2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K19661
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
水野 妙子 日本福祉大学, 看護学部, 助教 (20512586)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自律神経活動 / 睡眠障害 / 産後うつ病 / マタニティブルーズ / 産後早期 |
Outline of Annual Research Achievements |
産後早期は分娩前後の内分泌機能の急激な変動が一因となり、マタニティーブルーズや産後うつ病などの精神障害が生じやすい。産後うつ病は育児機能不全や母子相互作用の障害の要因となり、乳幼児の精神的発達や身体的発育に長期にわたって悪影響を与えることが示唆されている。近年、産後うつ病などの精神医学的要因による自殺率が高いことが明らかとなっており、産後うつ病の重症化や遷延化を防ぐことは助産分野における喫緊の課題である。 妊娠期や産後早期は、睡眠の変化に伴う様々な睡眠障害が生じやすい。特に産後早期は分娩時の疲労や授乳などの育児によって夜間の睡眠が分断され、非妊時と比較して入眠障害と中途覚醒が多く、約50%の女性が睡眠障害である。先行研究では、産後早期に不眠症や睡眠の質の低下といった睡眠障害を有する女性は、うつ症状の増加や産後うつ病発症の可能性が高いことが示唆されている。産後のマタニティブルーズや抑うつ状態といった精神的ストレスは、交感神経活動亢進状態および副交感神経活動減弱状態と関連することを報告されている。一方、成人の睡眠障害患者は、交感神経活動亢進状態および副交感神経活動減弱状態と関連することが明らかとなってきているが、産後早期の睡眠障害と自律神経活動との関連は検討されていない。本研究では、産後早期の睡眠と自律神経活動との関連を明らかにすることを目的とする。本研究の成果により、今後、産後の睡眠に対する支援の有効性を検討するための客観的指標を提示できると考える。 今年度は研究開始3年目であり、データ収集を実施する予定であった。しかし、昨年に引き続き新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のため研究実施施設においても面会制限等を継続実施しており、研究実施施設長より研究実施の許可が得られていない。このためデータ収集等、研究遂行ができていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画として、2020年1月よりデータ収集を開始し、2020年度はデータ収集およびデータ入力を遂行し、2021年度にはデータ解析結果をまとめ、学会発表をする予定であった。しかし、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)により研究実施施設においても面会制限等を継続実施しており、研究実施施設長より研究実施の許可が得られていない。このためデータ収集等、研究遂行ができていない。したがって、遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画として、2019年12月までに日本福祉大学「人を対象とする研究」に関する倫理審査委員会および研究実施施設の倫理審査委員会への申請し、倫理審査委員会の承認後、研究実施施設の担当者と打ち合わせを実施し、2020年1月よりデータ収集を開始し、2021年度は30~50名のデータ入力を終了した時点でデータ解析し、学会発表を予定していた。 現在までの実施状況として、研究実施施設の選定後、日本福祉大学「人を対象とする研究」に関する倫理審査委員会へ申請し、2020年2月に承認を得た。また、研究実施施設長より研究実施の許可を得た後、研究実施施設担当者と打ち合わせを行い、2020年3月よりデータ収集を開始する予定であった。しかし、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)により研究実施施設においても面会制限等が継続されており、研究実施施設長より研究実施の許可が得られず、研究遂行できていない。 今年度は、新たに研究実施施設を開拓し、研究遂行できるよう努める。研究実施施設より研究許可が得られたら、速やかに倫理審査委員会へ申請し承認を得る。その後、対象者のリクルートおよびデータ収集を実施する。
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Causes of Carryover |
今年度は、新型コロナウィルス感染症のため研究実施施設長より研究実施の許可が得られていない。このため、データ収集等の研究遂行ができていないため、今年度の実支出額はない。 次年度の使用計画として、新規研究実施施設の開拓時の交通費、データ収集時およびデータ解析時の研究協力者との打ち合わせ時の交通費として使用する。また、研究に関連する書籍や文献の取り寄せ費用に使用する予定である。
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