2020 Fiscal Year Research-status Report
The relationships between oxytocin concentration during pregnancy and Adverse Childhood Experience
Project/Area Number |
19K19673
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
増本 年男 鳥取大学, 医学部, 助教 (40715083)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 逆境的児童期体験 / oxytocin / JECS / 子育て / Mother-infant bonding |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、母親の受けた幼少期ストレスが妊娠期・産後のオキシトシン分泌と養育行動に対してどういった影響を与えるかについての評価を行っている。環境省エコチル調査での残余血液および追加の質問票データを用いて鳥取地区の独自の調査として実施した。 本年度の進捗状況は、幼少期ストレスの評価には、Sandersらが作成したCATSアンケートを日本語に翻訳し、行った(Sanders B and Becker-Lausen E, Child Abuse Negl, 19(3):315-323.)。809名の参加者に送付し、609名の参加者から回答が得られた。未回答の欄があるアンケートを除去し、538名分のアンケート結果が得られた。この結果を用い、因子分析を行ったところ3つの因子(養育放棄指数、パニッシュ指数、性的虐待指数)を抽出することができた。現在はこの結果とエコチル質問表に含まれる現在の育児行動との関連を調べているところである。母親に対し幼少期ストレスに関する追加アンケート調査を実施した。アンケート結果を集計し、因子分析を行ったところ、3つの因子(養育放棄指数、パニッシュ指数、性的虐待指数)を抽出することができた。現在はこの結果とエコチル質問表に含まれる現在の育児行動との関連を調べているところである。さらに、母親の幼少期ストレスと妊娠期・産後のオキシトシン分泌や養育行動との関連を解明するために、エコチル調査で得ている追跡調査アンケートの内容から、交絡因子になりうる項目(母親の社会的背景や及び母親の育児でのストレス、不安感、気分の落ち込みと言った情動変化およびうつ病や不安障がいなどの精神疾患既往歴など)を精査している。 その他の研究実績としては、既往歴とオキシトシンの関係について、論文発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はアンケートを集計し、因子分析を行ったところ3つの因子(養育放棄指数、パニッシュ指数、性的虐待指数)を抽出することができたため、研究計画は概ねに順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の予定としては、アンケートの結果をより詳細に解析し、ケースとコントロールに分けて、オキシトシン測定を行うサンプルを決定する予定である。 また、その解析に先立てて、既にオキシトシン測定済みのサンプルにて、幼少期ストレスとオキシトシンに関連があるかどうかを調べる予定である。
|
Causes of Carryover |
本来の予定では残りの金額で、学会に行くための旅費とオキシトシン濃度測定にかかる費用として使う予定であった。測定サンプルの確定にはアンケート回答を待つ必要があったが、十分な量のアンケート回答が完全には返ってきたのが年を明けてからになったためにオキシトシン濃度測定を行うまでに至らなかった。また、旅費に関しては新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響のため学会に参加することができなかった。そのため、旅費として使用する事ができなかった。以上の理由により次年度使用額が生じた。次年度使用額は本来の計画に従い、使用する予定である。
|
Research Products
(1 results)