2019 Fiscal Year Research-status Report
the program development of the support self-reliance for children of developmental disability complicated with type1 diabetes melitus in childhood
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19K19677
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
松田 史佳 大分大学, 医学部, 特任助教 (60839611)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 発達障がい / 小児1型糖尿病 / トランジション / 支援プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
発達障がい児が小児期発症1型糖尿病を合併した場合、発達障がい児に特有の感覚過敏、こだわり、衝動性、パニック行動などにより血糖コントロールとインスリン自己注射管理には様々な困難を伴う。困難を抱えるのは患者本人だけではなく、患者家族や医療関係者も困難を抱えている人は潜在的に少なくない。しかし、発達障がいと2型糖尿病の血糖コントロールや包括的アプローチに関しては報告があるが、1型糖尿病の小児患者に関する研究報告はない。本研究では発達障がいを有する1型糖尿病患児の特性について、アンケート調査と直接の聴き取りをもとに自己管理上の問題点を明らかにし、その上で患者と家族への新しい支援プログラムを確立する。さらに成人期以降のトランジションまでの道のりを見据えて、患児と家族の社会的・精神的に健全な育成に向け一貫した教育プログラムの構築を目的としている。 本年度は、当施設の診療録や過去の診断から対象患者を抽出した。他施設での対象患者の抽出に関しては、産前産後の休暇取得のために十分行えていない。 対象となる発達障がいを合併した1型糖尿病の患者とその家族に特有の困りを抽出するため、発達障がいを合併していない1型糖尿病患者の困りとの違いを抽出するアンケート調査票を作成した。また、一部患者の教育者(学校の担任、養護教諭)との話し合いの場を設け、学校で感じる患者や家族、教育者の困りを調査した。次年度には、本年度作成したアンケート調査票を元に、患者と患者家族に対して、インスリン自己注射による管理や血糖コントロールを行う上で課題と感じている点を中心に調査する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
他施設でも小児1型糖尿病患者の調査を行っているが、本年度の途中(令和2年2月25日~令和3年3月31日)で産前産後および育休休暇に入り、当施設以外での発達障がいを合併した小児1型糖尿病患者の診療状況の調査が十分とはいえない。次年度でアンケート調査と並行して、他施設での診療状況の追加の確認も行っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
他施設の診療状況の確認を進めるとともに、当施設で管理している小児1型糖尿病患者の血糖コントロールを行う上での課題を調査する。更に、作成したアンケート調査票を元に、小児1型糖尿病患者の中で発達障がいを有する患者とその家族を対象に、1型糖尿病の管理上で特有の課題を調査し、困りの特性を把握する。また、発達障がい患者自身の特性を把握するために心理検査(Vinelland-Ⅱ)による評価を行う。 以上を、育休明けの令和3年度(令和3年4月1日~)より進めていく予定である。 その後は、困りと患者の特性を理解した上で、課題解決のためのプロセスを医療多種職会議で構築する。また、将来のトランジションを見据え、教育の現場(保育園や学校)の先生とも協議し集団生活の場でも運用が可能なプログラムを策定する。
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Causes of Carryover |
日本小児内分泌学会へ参加予定であったが、妊娠のため参加できず、今年度分の旅費を使用できなかった。 次年度支給額と今年度の繰越金を合わせて、アンケート調査票の印刷や、購入したノートパソコンのアプリケーションソフトのダウンロード、また日本小児内分泌学会や、日本小児思春期糖尿病研究会の旅費に充てる予定である。
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