体外受精により妊娠した女性の妊娠・出産体験のとらえ方に関する研究

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K19685
• Research Institution: Iwate University of Health and Medical Sciences
• Principal Investigator: 大谷 良子 岩手保健医療大学, 看護学部, 准教授 (60811718)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2022-03-31
• Keywords: 体外受精後妊娠 / 出産体験 / 思いのプロセス

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は体外受精による妊娠・出産という体験の受け止めやそれに付随する状況を明らかにすることである。研究デザインは半構造化面接による質的帰納的研究である。研究対象者は東北地方及び関東圏内の生殖補助医療から分娩までを取り扱っている医療施設にて体外受精により妊娠し、分娩に至った女性30名とした。
当該年度は、2019年度に実施したパイロットスタディで得られた結果として、不妊治療後出産した女性の出産体験は、我が子を無事に産む役割を自覚しその役割を果たすことで不妊治療体験の肯定につながった反面、分娩の苦痛からの逃避や希薄な分娩直後の喜びといったアンビバレンスな感情を抱いた等の内容を記した論文を生殖看護関連学会へ投稿、採択され、2021年度の学会誌に掲載予定である。
また当該年度はCOVID-19感染拡大に伴う感染予防対策等の対応により、県外への移動及び医療施設への往訪が困難な状態が続き、COVID-19感染の終息を待って研究依頼の再開を考えていたものの、感染拡大はおさまらず、本研究における対面でのインタビュー調査は一時中断したままである。
よって、研究推進のために当初の研究計画の一部変更をおこなった。主な変更は①「研究者自身が医療施設に赴き対象者へ研究参加依頼をする」ことから「医療施設スタッフが研究協力依頼文書を配布する」②「対面によるインタビュー調査」から「ICTシステムを利用したリモート面談によるインタビュー調査」③「入院中の産褥4～5日目の面談」から「入院中から産後１か月の間で面談」の3点である。変更した研究計画は、研究者の所属施設の研究倫理審査会において承認され、医療施設へ電話やメール・文書等で、協力依頼をおこない、協力参加を承諾した2施設において対象者への研究参加依頼文書の配布を開始している。さらに研究協力施設を増やし、インタビュー調査の実施を進める予定である。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

2020年1月より各施設への協力依頼の開始とCOVID-19感染拡大が重なった。COVID-19感染予防対策等の対応により、県外への移動および医療施設への往訪が困難となり、インタビュー調査の実施できない状態が続いた。COVID-19感染の終息を待って、研究依頼の再開およびインタビュー調査の実施を考えていたものの、2020年度中に感染拡大はおさまらず、本研究における対面でのインタビュー調査によるデータ収集は実施できていないままである。

Strategy for Future Research Activity

COVID-19感染状況は今後いつ終息をみるか不透明な点をふまえ、研究計画の調査手順方法の内容として、対面による研究参加協力の依頼やインタビュー調査という点を、施設からの研究参加協力依頼文書の配布およびリモート面談によるインタビュー調査へ一部変更した。研究計画の変更は、研究者の所属施設の研究倫理審査会において一部変更の倫理審査を受け承認されたことから、医療施設へ電話やメール、文書等で、協力依頼を開始している。すでに協力参加を承諾した２施設ににおいては対象者への研究参加依頼文書を配布を開始している。さらに研究協力施設を増やし、インタビュー調査へと進めていく予定である。

Causes of Carryover

2020年度はCOVID-19感染拡大に伴う、県外移動の自粛および研究協力依頼のための医療施設へ往訪は困難となり、インタビュー調査が中断したため、データ収集のための旅費およびインタビュー対象者への謝礼金、データ整理等の事務的補助員の経費、また周産期関連・生殖看護関連学会がオンライン化されたことによる旅費・宿泊費などの支出がなされない状況となっている。今後計画を一部変更したことによるインタビュー調査の再開に伴い、予定を遂行していく。