2021 Fiscal Year Research-status Report
体外受精により妊娠した女性の妊娠・出産体験のとらえ方に関する研究
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19K19685
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Research Institution | Iwate University of Health and Medical Sciences |
Principal Investigator |
大谷 良子 岩手保健医療大学, 看護学部, 准教授 (60811718)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 体外受精後妊娠 / 出産体験 / 思いのプロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は体外受精による妊娠・出産という体験の受け止めやそれに付随する状況を明らかにすることである。研究対象者は東北地方及び関東圏内で体外受精により妊娠し、分娩に至った女性30名とした。 2021年度は、2019年度に実施したパイロットスタディで得られた結果を生殖看護関連学会へ論文投稿し、2021年6月発行の学会誌に掲載された。その概要は不妊治療後出産した女性の出産体験は、我が子を無事に産む役割を自覚しその役割を果たすことで不妊治療体験の肯定につながった反面、分娩の苦痛からの逃避や希薄な分娩直後の喜びといったアンビバレンスな感情を抱いており、より一層の分娩管理や女性の心理を考慮したケアの重要性の示唆が得られたことであった。 また当該年度は2020年度に引き続き、COVID-19感染拡大に伴う感染予防対策等の対応により、県外への移動及び医療施設への往訪が困難な状況のままであった。よって、研究推進のために当初の研究計画の一部変更をおこなった。主な変更は①「研究者自身が医療施設に赴き対象者へ研究参加依頼をする」ことから「医療施設スタッフが研究協力依頼文書を配布する」②「対面によるインタビュー調査」から「ICTシステムを利用したリモート面談によるインタビュー調査」③「入院中の産褥4~5日目の面談」から「入院中から産後1か月の間で面談」の3点である。変更した研究計画は、研究者の所属施設の研究倫理審査会において承認され、医療施設へ電話やメール・文書等で、協力依頼をおこない、協力参加を承諾した2施設において対象者への研究参加依頼文書の配布を12月まで行い、研究協力者を募ると並行して、研究協力施設を増やすべく、さらに複数の施設へ研究協力の依頼を行った。しかしながら研究協力施設は2施設にとどまり、研究参加の申し出もほとんど無く、インタビュー調査協力者は現時点で1名にとどまっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年年度は各施設への協力依頼の開始とCOVID-19感染拡大が重なり、COVID-19感染予防対策等の対応から県外への移動および医療施設への往訪が困難となったためCOVID-19感染の終息を待って、研究依頼の再開およびインタビュー調査の実施を考えていたものの、感染拡大はおさまらず、インタビュー調査の協力依頼すら実施できない状態が続いたことで大幅な遅れが生じた。2021年度は、文書および電話・メールによる研究協力依頼を行ったが、研究協力施設の確保に苦慮し、インタビュー調査への協力の申し出が見込まれない状況が続いたため、2021年度中にインタビュー調査による十分なデータ収集は実施できていないままである。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19感染状況からくるデータ収集の大幅な遅れの状況を鑑み、研究期間の延長手続きを行った。研究期間を一年間延長し、研究を継続する。研究計画の調査手順方法の内容としては、今後も施設からの研究参加協力依頼文書の配布およびリモート面談によるインタビュー調査を主とし、さらに研究協力施設の開拓を行い、複数の研究協力施設を得た上で、インタビュー調査への参加協力の申し出の増加を試み、データ収集及び分析を進める。また、国内の行動制限の緩和に伴い、施設訪問や対象者への直接面談、学会への現地参加等可能となった場合には十分に感染予防を行いつつ積極的に行動し、研究を遂行していく予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度に引き続き2021年度もCOVID-19感染拡大に伴う、県外移動の自粛および研究協力依頼のための医療施設へ往訪は困難となり、該当施設への依頼をメールおよび電話や文書の送付にて行った。さらに直接面談によるインタビュー調査からオンラインでのインタビューに変更した。加えてまた周産期関連・生殖看護関連学会がオンライン化されたことにより、対象施設及に対象者への往訪、学会参加による旅費・宿泊費などの支出がなされない状況となった。またインタビュー調査への協力の申し出も少なく、対象者への謝礼金、データ整理等の事務的補助員の経費も支出されていない。今後さらに研究参加者を募り、インタビュー調査の進めることで予定を遂行していく。
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