2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K19688
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
小泉 麗 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (50385564)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 機能性便秘 / 子ども / 家族 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、文献検討を中心に行った。当初の計画では、機能性便秘の子どもと家族の体験に焦点を当てて実施する予定であったが、国内外においてほとんど文献が見当たらなかった。そこで、2019年度は小児期の便秘に対する看護実践の開発・評価に関する文献検討を行った。 イギリスにおいて、小児期の便秘に対する看護実践の開発・評価に関する研究が複数報告されており、その中には介入群と対象群を設定した2群間の比較研究も含まれていた。これらの研究では、看護師主導の介入と医師主導の介入を比較しており、看護師主導の介入は便秘症状の改善や親の満足度など様々なアウトカム指標において医師主導の介入と同等、または優れた結果を示していた。イギリスの診療所看護師の中には診察や診断を行うナース・プラクティショナーもおり、日本にそのまま当てはめて考えることはできない。わが国で看護師主導の介入を開発する際は、イギリスとの看護制度の違いを考慮し、患者・家族への教育プログラムの開発とともに薬の処方・調整等の治療を行う医師との協働の在り方を検討することが重要になる。 便秘は長期にわたる問題となりやすく親子の苦悩は深いため、身近な存在として看護師が継続的にかかわることで、治療中断を回避できる可能性がある。海外における看護実践の研究成果や、本研究で明らかする内容を基盤とし、今後、わが国における機能性便秘の子どもへの看護実践の開発に発展させることが必要になると考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年度は研究代表者の休職のため研究に3か月弱の時間しか費やせなかった。 そのため、予定していたフィールドワークやより深い文献検討の実施ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、引き続き文献検討を行う。機能性便秘に限らず広い範囲で文献検索を行い、子どもと家族の体験を検討する。 新型コロナウィルスの感染が拡大しており、今年度予定していたフィールドワークは社会状況を鑑みながら実施を検討する。
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Causes of Carryover |
2019年度は研究代表者の約9か月の休職のため、予定していたフィールドワークが実施されなかった。そのため、フィールドワークにかかる交通費等の出費が生じなかった。また2019年度は文献検討を実施したが対象文献数が少なく、その文献のほとんどがオンラインで無料入手可能であったため、文献に関する出費が生じなかった。 2020年度の使用計画として、インターネットにつながないデータ入力用のパソコン(Wndows office搭載)が必要である。図書については、便秘症に関する図書、および研究方法に関する図書が必要である。ICレコーダーは予備を含めて2台必要である。文具、事務用品、USBメモリー、プリンターインクは資料の作成、整理、保管のために必要である。白衣、ナースシューズは、病院におけるフィールドワークやデータ収集において必要である。 フィールドワーク協力者、研究協力施設に対しては、多忙な業務の中研究に協力をいただく謝礼として手土産を持参する。また、研究対象者には、子育て中の貴重な時間を費やしていただくため、謝礼が必要である。資料が増えることが予測され、学生アルバイトを依頼する。逐語録作成には専門業者に依頼する。研究成果は英文で投稿することを予定しており、翻訳業者に翻訳を依頼する。通信費については、研究協力施設や研究協力者との連絡のために必要であり、主に研究関連の文書の郵送費として使用する。
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