育児を対象としたヘルスリテラシー概念の解明とその発展を促す支援指針の開発

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K19699
• Research Institution: Chiba University
• Principal Investigator: 坂井 文乃 千葉大学, 大学院看護学研究院, 助教 (70835321)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: ヘルスリテラシー / 育児支援 / 子育て支援 / 母子保健 / 親 / 育児

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、育児を対象としたヘルスリテラシーとは何かを明らかにし、親の育児に対するヘルスリテラシーの発展を促す支援指針を開発することである。ヘルスリテラシーは、健康を維持増進するにあたって情報を入手し、理解し、活用するための意欲と能力を規定する認知社会的スキルであり、自らの健康を主体的に扱い、意思決定することに役立つ。親の育児に対するヘルスリテラシーの発展を支援することで、親の育児経験の不足や孤立、情報の氾濫による育児不安、育児困難、それらの子への影響といった課題の解決を目指す。

本年度は、国内外の文献レビューにより、乳児の育児に対する親のヘルスリテラシーを明らかにした。ヘルスリテラシーは状況特異的であり、組織構造と資源の利用可能性に媒介される。そのため、育児に対するヘルスリテラシーの発展を促す支援にニーズがあり、育児困難や育児不安への予防的効果も高いと考え、乳児の親の育児に対するヘルスリテラシーを検討した。その結果、乳児の育児に対する親のヘルスリテラシーは５つの側面に整理され、支援指針への示唆を得た。また、支援指針作成にむけて、新型コロナウイルス感染症の影響をふまえ、育児に対するヘルスリテラシーの発展に資する支援の実践事例について情報収集するとともに、子育て世帯の生活の現状と課題を整理し、研究計画に反映した。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

国内外の文献検討に時間を要した。また、新型コロナウイルス感染症流行の影響により、子育て世帯の生活状況および育児支援の状況が大きく変化したことから、それらを反映して研究計画を修正し、調査の準備を整えることに時間を要した。

Strategy for Future Research Activity

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて修正した研究計画をもとに、調査と支援指針作成を推進する。新型コロナウイルス感染症の影響により育児支援の実践方法も変化していることから、調査対象は柔軟に検討し、新型コロナウイルス感染症の流行下においても有用な支援指針の開発を目指す。

Causes of Carryover

国内外の文献検討と、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた研究計画の修正に時間を要し、調査等が次年度の実施となったため。また、参加した学会がオンライン開催となったことから、交通費の支出が不要となった。次年度は、学会発表や調査地への移動、調査のための謝金や機器の購入等による使用を想定している。