2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of dementia assessment scale and age-friendly environments in Myanmar
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19K19703
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
SAW YUMON 名古屋大学, アジアサテライトキャンパス学院(医), 特任准教授 (20737788)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
低・中所得国における認知症の増加は爆発的であり、2050年には1億3150万人に達すると推計されている。しかしそれらの国々では、経済的資源、医療介護資源が極めて限定されていることに加え、認知症の診断率は10%以下といわれており、低コストで持続可能な診断及び予防方法を開発することは喫緊の課題となっている。本研究は、SDGsの目標達成に資するため、高齢化が進行しつつあるミャンマーにおいて、1)認知症や高齢者の健康状態を明らかにし、ミャンマー語版の認知機能評価方法を開発することを目的とした。認知症や高齢者の健康状態についての研究: ミャンマー国ネピドー、ロイコー、ヤンゴンにおいて60歳以上の高齢者を対象に、改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)ミャンマー語版、簡易栄養状態評価(Mini Nutritional Assessment)、クオリティ・オブ・ライフ (WHOQOL-BREF)を用いた認知症の罹患率、および高齢者の健康状態に関するフィールド調査を行った。ネピドー、ロイコー、ヤンゴンにおいて60歳以上の高齢者2000人以上を対象とし、聞き取り調査を行った。また、高齢者の健康状態としてアンケート形式での対象者の背景情報(年齢、出生地、婚姻関係、子どもの数、収入及び経済状況、教育水準)、健康問題、社会生活歴、社会保健医療サービス、Geriatric Anxiety Inventory (GAI)、Geriatric Depression Scale (GDR)、身体測定、握力測定、10メートル歩行テスト、随時血糖値測定を行った。以上より、研究結果をまとめ、現在4本の論文が査読付き国際ジャーナルに受理・掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
フィールド調査予定である1つの調査地域を3つに増やし、ミャンマーの高齢者の栄養状態評価や、クオリティ・オブ・ライフのフィールド調査の追加も行った。以上の研究の解析を行った。研究結果は4本の論文にまとめ、国際ジャーナルに投稿し、4本の論文が受理・掲載した。また、医療従事者を対象にする認知症の診断方法、高齢者医療、認知症に対する対応などのフィールド調査の準備も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
1.医療従事者が現在提供している診断・治療についての研究: 保健スポーツ省下にある公立医療機関(中央病院、省立病院、郡病院、ヘルスセンター)に勤務する医療従事者1,020人を対象に現在提供している認知症の診断方法、高齢者医療、認知症に対する対応などを明らかにする。 2.低コストで実現・持続可能なミャンマー語版認知症評価方法、診断プロトコールの作成:研究結果に基づき、ミャンマー語版認知機能評価方法および診断プロトコールを作成する。医師、看護師、助産師を対象に訓練を行い普及に努める。 3.得られた研究結果に基づき、全国的な高齢者にやさしい地域づくりの取り組みに関する施策及び予防方法の開発を目指す。
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Causes of Carryover |
育児休業により研究中断をしていたため。
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