2020 Fiscal Year Research-status Report
介護を機に離職を選択する息子介護者の健康問題が生じるプロセス
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19K19709
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
山本 翔太 三重県立看護大学, 看護学部, 助教 (00823965)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 男性介護者 / 介護離職 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題の目的は、介護を機に離職を選択する息子介護者の健康問題が生じるプロセスを明らかにすることである。また、本研究課題ではインタビュー調査を行う質的研究方法を用いる。したがって、息子介護者を対象にインタビューデータを収集していくことを研究計画作成当初の予定としていた。しかし、データを収集していくにあたり、男性介護者として対象の幅を広げたデータ収集の必要性があると考えたため、男性介護者を対象にインタビュー調査を行った。 得られたインタビューデータの分析を行った結果、以下の研究成果が得られた。男性介護者は、性別に付随させた社会的役割である性役割の規範と、男性介護者が担う介護役割の間で葛藤を抱えていることが示唆された。また、介護離職を選択した男性介護者は、介護が仕事になるという認識のもと、介護を継続するに至り、介護が人生の目標となる可能性が示唆された。介護期間中は人生の目標となった介護を糧に、介護生活を送ることができる。しかし、介護終了後は人生の目標を喪失する経験につながる危険性があることが考えられる。 今年度の研究実施計画として、分析結果の考察の検討、学会発表、論文執筆を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までにインタビュー調査を終え、得られたインタビューデータの分析を行った。 今年度は学会発表、論文執筆を目標に、現在は分析結果の考察を検討している状況である。 以上のことから本研究課題の進捗状況は、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は男性介護者を対象にインタビュー調査を行った研究である。 今後は、男性介護者を分析の視点とした分析結果の考察、学会発表、論文執筆を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、研究計画作成時に予定していたインタビュー対象者数より、実際にインタビューを行った対象者数が少なくなったことが考えられる。このため、研究者の交通費、質的データの入力補助に係る委託費等の支出額が予定より少なくなったため、次年度使用額が生じた。 使用計画については、次年度は分析結果の考察の検討、学会発表、論文執筆を行っていく予定である。分析結果の考察や学会発表等に必要な文献の取り寄せや書籍の購入等に使用していく予定である。
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