2020 Fiscal Year Research-status Report
地域在住高齢者への予防パンフレットとチェックリストによる熱傷予防法の開発
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19K19714
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
若濱 奈々子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助教 (20822761)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高齢者 / 熱傷 / 予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.高齢者の日常生活行動別に見た受傷原因の分析 過去10年間における認知症高齢者の生活行動からみた熱傷の受傷原因を明らかにするため,医療機関1施設における過去10年間分の対象者の診療録・看護記録から熱傷関連データを遡及調査し,認知症群19名と認知症ではない対照群19名の計38名を比較分析した. 結果,認知症高齢者の熱傷の熱源別の受傷原因では,「火炎」でのBIが19.5と最も高く,対照群と比較して有意差を認めた.認知症群の生活行動別の受傷原因では5つに分類され,湯たんぽや暖房器具の接触など【防寒対策】が31.6%と最多で,次に自分で火をつけるなどの【行動の意図や原因が不明】が26.3%,【家事や仕事などの日々の暮らし】が21.1%,【転倒や意識消失による二次災害】が15.8%,【信仰などの日課】が5.3%であった.一方,対照群では【家事や仕事などの日々の暮らし】が52.6%を占め,原因不明の熱傷はなく4つに分類された.認知症高齢者では,家事や仕事に伴う熱傷よりも「防寒対策」によって生じた熱傷が多く,「行動の意図や原因不明な熱傷」も火などに原因物質が限られることから,いずれも環境調整による予防の可能性が示唆された. これまでに実施した文献レビュー等の研究と併せ、今後の調査用紙の作成では、高齢者の危険予測や生活行動別の予防策を考慮した内容を検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度から2020年度の研究計画は以下の課題であった。 1)先行研究から調査用紙の作成 2019年度に「高齢者の熱傷に関しての文献レビュー」を行い、2020年度は「日常生活行動からみた熱傷の受傷原因」の把握を行った。これらから、高齢者の熱傷の受傷予防に向けての質問紙の作成を行う予定であったが、日常生活別の受傷原因についての分析に時間を要し、質問紙の作成ができていず、倫理審査を受けることができていない状況である。 2)協力施設及び団体のリクルート COVID-19の影響もあり、対象者が高齢者である協力施設が外部からの受け入れを中止している状況が続いている。少しずつであるが、感染対策を取りながらの外部の受け入れも再開している状況もあるため感染の状況を鑑みながら協力施設のリクルートを継続していく。 以上より、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度以降は以下の研究を進めていく 2021年度は、①研究協力施設及び団体のリクルートの継続を行う予定であるが、対象者が高齢者であることから、COVID-19に対するより一層の感染対策や安全に配慮した調査時期を検討していく必要がある。 ②また、高齢者の熱傷の受傷原因とその要因について、質問紙調査を行い、解析する予定である。対象者は200名程度とし、集合調査を予定している。
2022年度は熱傷の受傷原因の調査から予防パンフレットと予防チェックリストの作成を行う予定である。その際、構成内容や妥当性を高める為に再度専門家の協力を得る予定。
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Causes of Carryover |
今年度計画していた協力施設・団体へのリクルートがCOVID-19 の感染拡大に伴い、外部の受け入れを中止していたため、打ち合わせが行えなかった。また、対象者を100名程度で予定していたが、200名程度へ増やしたため、COVID-19 に対する感染予防策や協力施設へのリクルートを行うための費用を次年度へ繰越すこととした。
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