2019 Fiscal Year Research-status Report
産後うつ及び虐待関連要因の社会経済的状況別の検討:産後1年間の前向きコホート研究
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19K19715
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石川 英里 慶應義塾大学, 健康マネジメント研究科(藤沢), 特任講師 (60644945)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 産後うつ / 社会経済的要因 / 前向き縦断調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、子どもを持つ母親を対象として、産後1か月~1年の前向き縦断調査を行い、(1)産後うつの時間的推移と各経過時間における寄与因子を探索し明らかにすること、その際には、家庭の社会経済的状況別にも結果を探索することを目的とした。また、(2)各経過時間における産後うつが、育児不安感や養育態度、子どもの虐待関連指標等に与える影響を明らかにすること、その際には、上記と同様に、家庭の社会経済的状況別にも結果を探索すること、を目的とした。 今年度は、国内外における関連論文を網羅的に精査した。また、A県の母子保健担当課長及び、その他の自治体保健師等に対し、産後うつ予防あるいはその早期回復のために行っている母子保健活動の内容や、既に実施されている自治体独自の関連調査の状況等について聞き取り調査を行った。加えて、数理統計学の研究者から、応用統計等に関する専門的知識を提供してもらい、研究デザインを発展させた。 上記の結果、一例であるが、特に本邦においては、社会経済的要因と産後うつとの関係について検討する研究は数少ないことが明らかになった。加えて、統計分析手法の観点からも、質問紙調査(予備調査)の内容を、当初予定していた水準より高めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献調査及び自治体関係者へのインタビュー調査については、当初の予定通り遂行できた。加えて、当初の計画を発展させて、数理統計の研究者より応用統計についての専門的知識の提供を受け、研究デザインを深化させることができた。 なお、予備調査については、2020年2~3月に実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の罹患者数が日々増加し、感染防止対策の強化が求められていく中で、やむなく断念した。予備調査以外については、当初の計画通り順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度に得られた成果を踏まえ、予備調査を実施後、実査を行い、データ収集を行う。また、その時点までの研究成果に基づき学術集会等で報告を行うとともに、学術論文として国内外の学術誌に成果を公表できるように努める
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により、当初計画していた、自治体保健師等へのインタビューや予備調査を行うための出張ができなくなった。このため、当初計上していた出張旅費の余剰分が生じた(インタビューは電話あるいはオンライン等を活用して実施)。 このため次年度は、新型コロナウイルス感染症の状況を考慮しながらではあるが、予備調査他、実査に係る打ち合わせのための出張旅費として使用する予定。
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