2021 Fiscal Year Research-status Report
終末期がん患者の家族に焦点を当てた退院支援プログラムの開発
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19K19726
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
大園 康文 目白大学, 看護学部, 准教授 (80615518)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 退院支援 / 家族支援 / がん / プログラム / 終末期 |
Outline of Annual Research Achievements |
終末期がん患者が残された時間を望む場所で過ごすためには、患者だけでなく介護を担う家族への支援が重要である。しかし、平成30年度の診療報酬改定にて、入院医療を提供する病院が退院後の生活を考えつつ入院早期から「退院後の地域での生活に向けて支援していく」ため「入退院支援加算」に改称されたことは、悪性腫瘍が退院困難な要因として挙げられることを示唆している。これは治療や症状のコントロールが難しいことだけでなく、在宅療養を支える家族にとっても負担となっていることを示していると考えられる。 本研究は、終末期がん患者の家族に焦点を当てた退院支援プログラムを開発することを目的とする。これは、新たな業務を追加して看護師の負担を増やすものではなく、現在実施している退院支援に家族への支援が今以上に充実する仕組みを目指す。またこの退院支援プログラムは、単に家族への退院支援の項目を羅列しただけのものではなく、看護師が家族支援の重要性を再認識出来るような教育プログラムの側面も持たせる。これにより退院支援の質が均一になり、患者と家族が安心して自宅療養を開始出来るようになるものを開発する。 今年度は、日本ホスピス緩和ケア協会に登録している会員施設約360施設から無作為に抽出し、180施設の管理者に対して研究協力の依頼を行った。協力の承諾を得た施設に対して、5部ずつ調査票を郵送し、「終末期がん患者の家族に対する在宅療養移行支援を効果的に実施するための取り組み」について無記名調査を行った。現在、回収した調査票の分析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
無記名自記筆調査の実施が1年遅れたため、その分析作業が予定よりも約1年遅れている。 また、退院に向けた家族支援プログラムについて研究メンバーと会議を行う予定であったが、オンライン会議でも全員が集まることができずに議論を進めることができなかったため、臨床で実施されている退院看護計画の実態確認やそこに追加できる仕組みを検討することが十分に出来ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究メンバーと改めて会議を行い、今後のスケジュールについて再検討する。 退院支援プログラムの実施・評価を緩和ケア病棟に協力を得て行っていく予定であったが、事前に了解を得ていた病棟管理者から辞退の話が数件出ている。退院支援プログラムの実施・評価に協力頂ける施設の開拓と説明が必要となってくる。 また実施施設との打ち合わせや退院支援プログラムの実施は主研究者が主催するため、所属大学の倫理委員会へ審査申請を行う。
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Causes of Carryover |
終末期がん患者の家族に焦点を当てた退院支援プログラムの原案を作成し、研究メンバーとオンライン会議を実施した。しかし新型感染症の対応や体調不良などの理由により、研究メンバー全員にプログラムの同意を得ることが出来ず次の計画に進むことが出来なかったため。 2022年度の使用計画として、1.研究メンバーがオンラインではなく対面で会議を行い議論を深めるために使用する会議室会場費や旅費、2.退院支援プログラムを作成し、そのリーフレットを業者に発注する印刷費、3.研究協力いただける緩和ケア病棟に伺い、研究実施の打ち合わせをするための旅費、4.緩和ケア病棟で得られたデータ(アンケート調査)を郵送していただくための郵送費、5.得られたデータを統計学的に分析するためのソフト購入費、を想定している。
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