2020 Fiscal Year Research-status Report
在日外国人女性の乳児へのボンディング障害に対する予防的支援方法の探索的研究
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19K19729
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
杉本 敬子 筑波大学, 医学医療系, 助教 (50700548)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 外国人妊産婦 / ソーシャルサポート / うつ症状 / ボンディング |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目の2020年度は、外国人妊産婦のソーシャルサポートの特徴を明らかにすることと、ソーシャルサポートとうつ症状の関連性を検証することを目的として、在日外国人妊産婦を対象としたオンラインによる質問票調査とインタビュー調査を実施し、質問紙調査では60名、インタビュー調査では10名の研究参加者による協力を得て、以下の結果を得た。 1. 外国人妊産婦は主にパートナー、日本人以外の友人、母親から支援を受けていた。 2. 子育て支援情報源として、SNSではFacebook、YouTube、Instagramを活用していること、公的な情報源として約半数が市の公式ウェブサイトを活用していることが明らかとなった。 3. 外国人妊産婦のソーシャルサポートとうつ症状には関連性が確認され、ソーシャルサポートの「手段的支援」、「情緒的/情報的支援」、「愛情の支援」、「良好な社会相互作用」の各支援が少ないほど、うつ症状の「興味の減退」が強くなることが明かになった。また、ソーシャルサポートの「愛情の支援」が少ないほど、うつ症状の「非特異的うつ症状」が強くなることが明らかになった。 以上を踏まえて、外国人妊産婦への支援において、手段的支援として具体的な託児サービスなど子育て支援の提供、情緒的/情報的支援として理解出来る言語や方法を用いた情報提供や支援者との繋がりの確保をするためのアウトリーチ支援、良好な社会相互作用を図るためのピアサポートによる支援の有効性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19の感染予防のため、研究計画を混合研究法に修正し、オンラインによる質問票調査をプロジェクトに追加し、インタビュー調査(個人面接法とグループ面接法(オンラインによる)を実施したため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究3年目には、知見のトライアングレーションを目的に、外国人妊産婦だけでなく、様々な支援者にも対象を広げ、グループ面接法(フォーカスグループ)を計画している。
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Causes of Carryover |
COVID-19のパンディミックにより、予定していた学会や調査に必要な旅費を使用しなかったため、次年度使用額が生じた。次年度は、国内外での学会報告や調査に使用する旅費に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)