2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K19734
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松原 侑子 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 非常勤研究員 (50835139)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | サルコペニア / フレイル / 婦人科癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
サルコペニア(筋肉量低下)は、様々な癌における重要な予後因子である。今回、3D-CTを用い、腸腰筋体積(PV)を計測し、上皮性卵巣癌(OC)患者のPVと無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)の相関について、検討を行なった。 2002年から2015年の間に、当院で治療前CT検査を施行した83人のOC患者について、Synapse Vincent(Fujifilm Medical) のソフトウェアを用いてPVを測定し、83人のOC患者における臨床検査値(血中アルブミン値、CA125値)およびPFS、OSとの相関を調べた。統計分析はMann-Whitney U検定やReceiver operating characteristic (ROC) 曲線を用いて行い、 PFSおよびOSの分析を行った。 全患者のPFSおよびOSの中央値は19.0ヶ月および31.0ヶ月であり、追跡期間は1-131ヶ月であった。 PVは、PFSおよびOSいずれについてもArea Under the Curve (AUC)が0.748 および 0.755と相関を認めた。また、 Kaplan-Meier分析により、PVが低値のOC患者は、PVが高値の患者よりもPFSおよびOSが短いことが明らかになった。(PFS:P = 0.030、OS:P = 0.015) PVは、OC患者の予後不良の指標となる可能性があることが示唆された。今後、体組成計を用いて、さらに多角的に筋肉量を測定し、サルコペニアと婦人科癌の相関を検討したい。
|