2019 Fiscal Year Research-status Report
定年退職移行期にある勤労者の健康状態の変化とその影響要因に関する縦断研究
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19K19736
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
大江 佳織 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 准教授 (80726232)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 定年退職 / 健康 / ソーシャルサポート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、定年退職後の人々の健康づくりに影響する要因を在職中の健康状態や支援環境の視点から明らかにすることが目的である。 2019年度は、文献レビューを中心に調査項目の選定を行った。定年退職前後の人々の健康については、改善する報告がある一方で悪化するとの報告もあり、国内外ともに一定の見解は得られていなかった。これらは、健康の評価指標の違いや定年退職前後の調査時期の違いによって結果の相違が生じていた。そのため、定年退職後一定の期間が経過した対象に本人がどのように健康について考え、感じながら生活していたかについて詳細な聞き取りが必要なことが明らかになった。また高齢者の健康に関連する要因は、ソーシャルサポートが重要なキーワードであった。しかし、ソーシャルサポートは様々な捉え方があり、ネットワークとサポート体制、またそれらに対する本人の感じ方などが混在しており、健康に影響する要因としては何がキーになるのか詳細にしていく必要がある。また在職中のソーシャルサポートについて退職後まで長期的に評価している先行研究は数少なく、十分な検討がされていなかった。 これらのことから、第1研究として、現在定年退職5年後の者30名程度を対象に、定年退職前後の健康に対する思いやソーシャルサポートについてインタビュー調査を行う準備を進めている。インタビュー調査によって明らかになった調査内容をもとに、健診施設を受診する定年退職前の人々を対象に質問紙調査を行い、定年退職後も追跡調査を行うことで退職後の健康に影響する要因について検討する予定である。第1研究の結果がまとまり次第第2研究が開始できるよう、現在、施設への協力依頼と実施方法の調整も同時に進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
定年退職後の対象者へのインタビュー調査は2020年1月~3月に行うことを予定して、研究協力の同意の得られた研究協力者と日程調整を行っていた。しかし、新型コロナウィルス感染の拡大により、インタビューを中止しており、インタビュー結果からの質問調査内容の抽出ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染の拡大状況を鑑みながら、インタビュー調査を再開、場合によってはインタビュー調査をオンラインで行い、質問紙調査の調査項目の抽出を行う。調査内容の抽出ができ次第、健診施設で定年退職前の対象に質問紙調査を行い、追跡調査を行っていく。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査が中断したため、インタビュー場所への旅費として確保していた分に残額が生じた。また謝金や人件費もインタビュー調査の中断により、研究協力者への謝金や調査結果の分析を依頼することができなかったため、人件費に残額が生じた。2020年度に調査を再開することにより、これらは使用する予定である。
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